PRESENT STORY
□『 real encount 』
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火のないところに煙は出ない。
まぁ、そんな感じで実になるものがなけりゃ話が進もうともどうしようもないわけで。
「うーん……」
俺の手にあるのは、精巧な鍔作りに縄が編まれた片手サイズの棒。
平たく言うなら、刀の柄、だ。
「うわー、見事に木端微塵だねぇ…」
ただし、後ろから覗きこんできた慶次の言葉通り。
冗談抜きで作り込まれたリアル戦国の刀…。
が、刃は鍔から3cm上あたりで力の限り粉微塵になってるんだなコレが。
「霧樺さん、容赦なくいったからなぁ〜…」
「手加減なしで行けって言ったの烈水じゃん」
「手加減なしで武器破壊しろたぁ言ってねーよアホンダラ」
俺が言ったのは戦闘の方だ。
何だそのヤーさんの喧嘩常套手段のような手加減なし方向。
「龍●゛如く」でもねーよそんな力加減。
「とまぁ言っても、しかたねーな…」
とは言いつつも、言葉通り言おうが言うまいが壊れたもんはしかたない。
実になるもんがなければどうしようもないように、これからいつ戦闘が起こるかわからんのに武器がないのは大問題だ。
となると、新たに武器を入手するべきところなんだけど…。
「出来る限りなら直してもらいてぇんだが…」
というのは片倉サンのお言葉。
その言葉通り、これからはいずれ戦闘になる。
そこへきて新しい武器となれば、調達にも手になじむにも時間がかかるだろう。
流石戦国武将。経験からそれを知ってるために修理希望なんだろうけど…。
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