スクール革命

□限界な気持ち
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 ようやく授業が終わって、自宅に帰れる。
 窓から空を見上げれば、雲行きがあやしい。そういえば、天気が崩れるって、朝の天気予報でも言ってたっけ。
「アルフォンス、たまにはちょっと遊びに行かねえ?」
「や、遠慮するよ。今日は早く家に帰りたいし」
 ジョンが誘ってくれたが、生憎その気になれなかった。
「えー、マジかよ。しょうがねえな」
「うん、ごめん」
 兄さんは、今日は学校に来てないから、早く帰宅したい。せっかく兄弟再会したんだから現在親睦深め中というのは建前で、本当は僕自身が兄さんから離れたくないんだ。
 ジョンには悪いけど、雨が降ってくる前にさっさと帰ろう。




「うわー、降ってきちゃった」
 あと少しでマンションというとき、すでに真っ黒な雲に覆われていた空から大粒の雨が落ちてきた。おまえけに雷まで。
 慌てて入ったマンションのエントランスで、轟音とも言える雷が鳴って、急に明かりが消えてしまった。
「え、停電?えー」
 1階2階に住んでるんじゃないから、エレベーター無しはちょっとキツイけど、今日みたいに落雷があった日はエレベーターでは不安がある。
「兄さん、大丈夫かな・・・」
 車椅子ではエレベーターは必需品だ。
 階段を駆け上り、自宅の玄関を開けた。
「兄さん?ただいま・・・」
 声がしない。
 幸いにも、日はまだ出てる時間なので、漆黒の闇では無い。
「兄さん・・・っ!?」
 転がっている車椅子に、躓きそうになって慌てる。
 リビングに居ないということは、自室だろうか?
 心臓の音が、否応なくドキドキしている。
「ア、ル・・・」
「兄さん!」
 自室の扉のすぐ横に、兄さんが蹲っていた。
「大丈夫?ケガしてない?車椅子が倒れてたから・・・」
「あ・・・それは大丈夫だけ、ひっ!」
 再び雷が鳴り響く。
 僕は、丸くなってしまった兄さんを腕に抱く。
「大丈夫だよ。ね、カーテン閉めるよ。そうすれば、もうちょっと静かになるはずだから」
「うん・・・オレも閉めようとしたんだけど・・・」
 雷で軽くパニックしてる人間に、窓際に行けというのは少々難しいだろう。
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