桜祭り・2013
□3月7日
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蕾の奥の、アルフォンスにだけ許された細い肉筒のなかは、ねっとりと熱い欲に絡みつく。
「あっ、っ、あっ、あ、んっ」
穿たれたものを締め付ければ、脊椎から痺れるような快楽に、下腹から絶え間なく震え翻弄される。
「そ、こ・・・もっと、あっ・・・」
脚に力が入る。
背後から覆いかぶさってくるアルフォンスを蹴らぬように、足の指先に力を入れて堪えるが、容赦なく擦られる粘膜はその努力も無くそうとする。貪欲に、アルフォンスが与えてくれるものを味わっているかのように。
「あぁ・・・はっ・・・」
髪を掻き分けて、首筋を舐められる。
「兄さん・・・」
反射的に、ビクリと肩をすくませた。
連動するように、エドワードの中が締まる。
「ん・・・気持ちいい?」
いつもよりも声は静かだが、身体は正直にアルフォンスを求めて欲の深さを訴えていた。
くちゅ、と、粘液が動く音がする。
くちゃくちゃと咀嚼する音にも似たそれは、エドワードとアルフォンスの接合部から発していた。
「ああ、アル、あ、あぁんっ、あ、も、イク、ああっ」
「もうちょっと頑張って」
最奥まで熱杭を、突き進んでは引き戻し、大きな動きをされるた身も世もない声を上げて懇願していた。
「あっああっ、あ、あっ、ああんああぁ・・・」
「うっ」
喉の奥が引きつれるような嬌声を上げたあと、エドワードの全身に力が入り、溜めていた蜜を放出する。うつろな目からは、涙が零れていた。
それと同時に、アルフォンスもまた欲液を吐き出す。許された最奥が、びっしょりと濡れるような激しいで、白い白濁の液を肉襞に叩きつけた。
「あ、アルぅ・・・」
身体を無理矢理捻り、弟にキスを強請る。
重なる唇と唇は薄く開かれて、舌が重なった。
「・・・中に出すなって言ったのに」
「ごめん。予想以上に絞られたから、ガマンできなかったんだ」
しれっという弟は確信犯だろうけど、気恥ずかしくてそれ以上は強く言えない。
引き攣れる感触をもたらしながら、アルフォンスが身体を離す。抜き去ったものの喪失感に根拠のない不安を感じた。
「なあ・・・」
溶けたように潤む瞳を見たせいで、喉が鳴る。たった今、熱を吐き出したのに、もうまたアルフォンス自身は芯を持ち始めていた。
エドワードの目の奥に潜むものを敏感に読み取ったアルフォンスは、前儀よりも濃厚なキスを了承の代わりにした。
「欲しいだけ、あげるから・・・」
声帯まで痺れている気がする。
掠れた声でそう言うと、声にならないエドワードの声は「あいしてるよ」と告げてくれた。
終わり。