letter
□こはくゆめ ss
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入学式。
桜舞い散る中
新入生や在校生が入り混じり騒がしい。
(今度はどこで会えるんだろうね。シンジ君)
あ
うそ。 とぱしっと手を掴む。
掴まれた相手はびくりと肩を震わせた。
「えと、何か用かな?新入生・・・だよね?」
刹那、 沈黙、 失望、 喪失。
「いえ、すいません。大事な人に顔が似ていたもので。」
「あぁ、そういうのあるよね。気にしないでいいよ。・・・少しかがんでくれる?」
暗に目で疑問を示すと身を屈めるように促され
大人しく従う。
近づく。
ふわりと体温と匂いが風に乗る。
・・・。
「よし・・・取れた。まぁ君みたいに綺麗なら髪に桜ついてても様になるだろうけどね。」
「ありがとうございます。」
「男の子に綺麗って形容詞使うの初めてだけど・・・君ならよく似合うね。」
「先輩も綺麗ですよ。」
「あ、ありがとう。お世辞はありがたく受け取るね。そろそろ時間じゃない?場所、そこまっすぐいって右だから・・・じゃっまた後で会おうね。」
軽やかに過ぎ去る背中に声をかける。
「先輩、お名前教えて下さい。」
笑顔で彼は答えた。
「碇シンジ。これからよろしくね後輩君」
「碇シンジ・・・・・・・・・先輩。ふぅん。今度は年上かぁ。」
また会えた。
やっと会えた。
今度こそ
「君を 。」
********************** 明日かそのうち消える申し開き