letter

□aggressive sharp
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まどろみから目覚めると隣にいたはずのぬくもりが消えていて





一人分空いたシーツに急にさみしくなって名前を呼ぶと、




上から優しい声が降ってきた。





「もう起きるのかい?はい、じゃお目覚めのコーヒー。」



コーヒーを受け取ると共に髪と額、頬に彼が降りつもる。


温かなコーヒーを啜るそばに彼が座る、



一人分の空白が柔らかにシーツに吸い込まれていった。


「あれカヲル君のコーヒーは?」



すっと長く綺麗な指が目の前で止まる。





「シンジ君が」



「僕が?」


「口移しで飲ませてよ」




少しだけ恨みがましく見つめても



その綺麗な顔はどこまでも涼しく僕の一挙一動を見守っている。

















ためらいながらも意を決してコーヒーを口に含み、

おいでと手招く腕にゆっくり抱きつくと

首へと手を導かれ密着する。




丁寧に重ね合わせた唇からほろ苦い液体を流し込もうと口を開くと



案の定待ち構えていたように熱い舌が侵入してきた。



ん・・・んん、と甘えたようなような声と濡れた水音。


コーヒーはすべて流しこんでもその舌は更に更にと求めるように絡みつく。



歯列をなぞられ

上顎の裏を擽られ


足りないというように

舌を絡め取られる。



溺れるように

されるがままに


全てを享受していたが


やがて息苦しさに胸を叩くと



しばらく後に名残惜しそうにゆっくりと唇を離す。


開放感に一気に息を吸い込むとむせてしまい、背中をさすりながら少し調子に乗りすぎたとかなと謝られた。




*****
続く

眠気限界。

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