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教室に差し込む傾いた日に随分と長い間眠っていたことに気づいた。




「渚の奴起こさなかったのかよ・・・」

鞄を抱え苛立ち紛れにを乱暴にドアを開けて廊下を歩いてると前方に見慣れた白髪が見えた。



「おい渚」





彼は振り向かなかった。


「渚」


双方の歩みは止まらず、空いた距離が埋まることはなかった。

足早な彼に小走りで追いかけ距離が縮まったところで肩に手をかけ息を乱しながら怒鳴った。


「おい・・・・・・・渚って言ってるだろ」




ようやく振り返った彼はだがしかし肩にかけられた手を冷たくはらいのけその仕草と同じような目を向けた。


「・・・渚?」


「名前呼ばないでくれるかな、碇シンジ君。僕は君とそんな仲になった記憶はないのだけど」



「何それ冗談?何言ってるの渚?」




「・・・それで、僕を呼び止めた用はなんだい?」


「いや・・・・・・べ・・・別に用はないけど」



「それじゃあもういいかな。それとできれば今後用がない限りあまり声をかけないでくれるとありがたいな」


「・・・・・・」




言葉を詰まらせている間に見慣れていたはずの白髪は遠く消えていった。


























呆然と立ち尽くしているといつの間にかいつも賑やかな友達が隣で喋っていた。



ぼんやりとおぼつかない体を
ノイズのような耳鳴りが耳を埋め尽くし

彼の言ってることの半分も理解することができなかった。







「お前ほんま毎日毎日渚につきまとってよう飽きんなあ。しかもあんな冷たくされて」













血液の流れ出る音がうるさかった。



それなのにすぅと血の気が引いていくのがわかった。








しらんでいく意識の中で名前を呼ぶ友達の声と、











見慣れた白と赤が







見えたようが気がしてその名を叫んだ。
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