テニスの王子様 -長編-
□第6話
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地区大会が終わった、数日後
波奈はリョーマと打とうと家の中を探すが、いない
『菜々子さん、リョーマ知りません?』
「リョーマくんなら、テニスバッグ持って出掛けましたよ。」
『・・・そっか、ありがとう。』
波奈もテニスバッグを持って、裏の神社のテニスコートに行く
集中して練習していると、いつの間にか夕方になっていた
南次郎「汗びっしょりじゃないか、しっかりタオルで拭けよ。」
『オジさん。』
そこにはラケットを持った、南次郎とリョーマがいた
リョーマは何やらちょっと機嫌が悪いみたいだった
南次郎「それにしても、めずらしいじゃねぇか。お前からさそってくるなんてよ。やっと親父を尊敬す・・・。」
リョーマ「いいから、やるよ。」
南次郎「・・・ハンデはどうする?」
リョーマ「いらない。」
南次郎「さよか・・・よっしゃ、いくぞリョーマ!!」
二人の打ち合いを見るために、石垣にもたれて汗を拭く
リョーマは誰かと重ね合わせて打ち合いをしているのか、いつもと打球の感じが違うように見えた
そしてリョーマが南次郎から、1ポイントを取る
リョーマ「ーっし!!親父、強くなりたい。もっと・・・もっと!!」
『・・・。』
南次郎「何か嬉しそうじゃねぇか。どうしたよ?」
リョーマ「別に。ガンガン行くよ。」
その言葉で、南次郎はいつもは煙草吸いながらテニスをやるが、今日は消してリョーマと向き合った
その日の遅くまで二人は打ち合い、リョーマの体力が切れて終了
オジさんがリョーマを担いで、家に戻る
『今日のリョーマ、雰囲気も打球もいつもと違ったね。』
南次郎「誰かはわからんがこいつの性格を理解した上で、今1番リョーマに必要な事をしてくれたみたいだ。」
『・・・必要なこと?』
南次郎「それは波奈、お前にも必要なんだ。」
『私にも・・・必要なこと?』
南次郎「今は例の監督のせいで、怖いかもしれないがね。その気持ちさえも乗り越えることができる。それにもっと強くなる。その二つのためにも、必要なんだ。」
『・・・それは?』
南次郎「お前が自分で見つけろ。今日のリョーマを見て、もう答えが見つかったかもな。」
『・・・わかんないよ。でもさっきのリョーマ見てて、おいてかれた気分。』
南次郎「課題の答えは、すぐそこにある。お前はお前なりに見つけろ。」
『うん。』