□〜蛍灯〜【D兄弟/ルフィ】
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外。




当然だが辺りは真っ暗だ。

さっきまで暑かったのに今は肌寒いくらいだ。

村の灯りは一つもない。



俺はゴクリと唾を飲み込む。

別に怖いわけじゃねぇぞ!!












エースは何処かへと歩き出す。



「エース!どこ行…(ズデッ)痛ぇ!」

(デジャヴ…?)

今度は転んでしまった…





「ッたく、おめぇは何してんだ!」


エースは溜め息をつき戻ってきて俺の手を掴む。



「ほら、行くぞ!!」



俺の手を引き歩き始めた。
















「何処行くんだ?」

「秘密〜。」




とだけ言い歩き続ける。


暫く歩き近くの小さな湖までやって来た。



「ルフィ!見てみろよ!」



そう言われ湖の方を見てみると黄色い光が一つ。

よく見てみると辺りには黄色い光が沢山ある。




「うわぁ…!!」








淡い黄色い光を放っていたのは…






















「蛍だッ!!」





















こんなに沢山の蛍を見たのは初めてだった。



「キレイだな…」


「うん!!」



俺達の周りを沢山の蛍の光が包み込んでいる。




俺は暫くその神秘的な光景に目を奪われていた。




































本当は停電になったのが少しだけ怖かった。


いつもの夜は平気なのに当然電気が消えてほんの少しだけ怖かったんだ。




エースが外に行こうなんて言うから更に怖くなったけど…



こんな沢山のキレイな蛍が見れて良かった。









エースと手をつないで真っ暗な夜道を散歩した。


不思議と全然怖くなかった。


むしろワクワクしていた。




















時間が経つのを忘れ、いつまでも俺達は蛍を見ていた。






「帰るか。」


エースがそう言って家に帰ることにした。



蛍に名残惜しさを感じながらも来た道を二人で戻っていく。





村の方には灯りが戻っていた。



































また停電になったらエースと一緒に此処に来よう。




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