□おかえり【D兄弟/ルフィ】
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戦いで受けた傷が痛んだ
激しい疲労が体中に溜まっていて今にも倒れそうだった



だけど君の笑顔を見るためだったらそんなものは何とも感じない









君のためだったら俺は何だって出来るんだ

君のためだったら俺は何処へでも行けるんだ



君のためだったら

危険だって言われても
無理だって言われても

俺は迷わず走り出す事が出来る






ただ君の笑顔が見たいから…

君の笑顔を絶やしたくはない
取り返すために俺は前に進んだ





















やっと辿り着けた舞台の上─…


ボロボロで思うように動かなかった足も自然と動き出す




駆け出すんだ
愛しい君の元へと










真っ直ぐに君の胸のに飛び込んだ

傷だらけで前よりも随分と痩せた君の背中を力一杯抱き締める




痛いと言われたって
苦しいと言われたって
絶対に離してなんかやらない

俺に心配をかけた罰だ





なんて思っていたけど、
先に痛いと悲鳴をあげた
のは俺の方だった


息が出来なくて苦しいと訴えたけど離してくれなかった








気付けば涙が溢れ出す


痛いからじゃない
苦しいからじゃない

幸せだからだ泣くんだ






俺達はお互いの無事に泣き合った


頬を伝う涙は君の涙と混じって傷口に滲みていった






馬鹿野郎と怒られた

でも俺は絶対に謝らないから…


間違った事だとは思っていない
そんな事言われたって俺は何度だって助けに行くからな





そう言ったら君は笑った

涙でぐちゃぐちゃだったけどそれは紛れもなく俺の大好きな笑顔だ










やっと取り戻せた君の笑顔

俺は何度だって君の笑顔を取り戻しに行くんだ














久しぶりに触れた昔と変わらない兄の温もりを存分噛み締めた



大好きな兄が今此処にいるんだ

大好きで
愛おしくて


世界にたった一人の俺だけの兄だ









無事で良かった

待たせてごめんな…





















『おかえり、エース』





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