□〜蛍灯〜【D兄弟/ルフィ】
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ある夏の夜。






「あぢぃ…あぢぃ…あぢぃ〜よ〜」


俺は団扇でパタパタ扇ぎながら何度もその言葉を繰り返していた。







エースはソファーの上で寝てる。




夏の夜は昼に比べれば大分涼しくなるけどまだ暑い。








「あぢ━━ぃ!!!!」


一人騒いでいると…



















パッ!!!!










「うわッ!?」

突然電気が消えた!!


「な、なんだ!?エ、エース!!」


辺りが真っ暗になりパニくる。








ドガッ


「痛ぇッ!!」

エースが寝ているソファーまで行こうとしても何も見えないため何かに膝をぶつけた。






漸く手探りでソファーまで辿り着いた。

エースはまだ寝ている。



「エース!起きろって!電気消えちまったぁ!!何も見えねぇよ!泣」


エースを揺さぶる。



「あ゙?…んだよッ…」


目覚めた…のか?
暗くて見えねぇけど…





「え!?ルフィ!?何で真っ暗なん…(ズルッ)うわッ肇


ゴチッ


「「イデッ!!泣」」


暗くて何も見えない状態なためエースはソファーから滑り落ち、俺達はデコをぶつけた。





「痛ッ…何で電気が消えてんだよッ!?」

「知んねーよ!突然消えたんだ!」

ヒリヒリ痛むデコを押さえながら言う。





「停電か?ルフィてめぇ電気何ヶ所も使ったんじゃねぇのか!?」

「使ってねぇッて!!ちゃんと団扇使ってたぞ!!エコだ!!」







「だったら多分ウチだけじゃねぇな…村中の電気が消えたんじゃねぇか?」

「えぇ!?電気つかねぇのか!」

「多分な…」






















俺達はどうしようもなく電気がつくまで大人しくしていることにした…。






大人しく…











「いってぇ!ルフィ足踏むな!!」


「ご、ごめん!!(ドガッ)痛ぇ肇



大人しくなんて無理だ…!!

足を踏んだり物にぶつかったり兎に角大騒ぎだ。



















だいぶ暗闇にも目が慣れて辺りが見えてきた。



「真っ暗だな…。」

そんな事を言ってみる。


「なんだぁ?怖ぇのかぁ?」

馬鹿にするようにエースが笑う。
それに対して俺もムキになる。



「怖くねぇ!!」

「はいはい〜。」

「本当だからなッ!!ただつまんねぇだけだ!!」


本当につまんねぇだけだ!!エースと一緒だから暗闇なんか怖くねぇんだ!!



「あ!じゃあ外行くか!!」

何か思い付いたようにエースが言い出した。





えッ、外…?


いや、怖くはねぇんだぞ!!

ただ…、ただ……。




「やっぱ怖ぇの?笑」

「違ぇってば!!」

「よぉーし!!んじゃ行くぞ!!」



そう言ってエースは立ち上がりドアに向かって行ってしまった。




「えッ!ちょっと待…イデ肇

また膝をぶつけた(泣)

イテテ…







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