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□〜輝光〜【D兄弟/エース】
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ある日突然俺の前に現れた光。
その光は俺が全力で守る。
彼の純粋な心を汚す者がいれば俺が許さない。
何処にいようと直ぐに駆け付けて其奴をぶん殴ってやる。
彼の勇気と希望に満ち溢れた笑顔を奪う者がいれば俺が許さない。
相手が誰であろうとも手加減は一切しない。
誰にも汚させない。
誰にも奪わせない。
出来ればいつまでも彼の手を引いて歩んでいきたい。
彼の前に居るのはいつまでも自分で有りたい。
この席だけは誰にも譲りたくはない。
この先彼に大事な仲間が出来、俺を必要無くなった時が来たとしても彼の心の何処かで一筋の光を放っていたい。
もし彼がいつか立ち止まってしまい、どうする術も見つからなく泣いてしまった時に手を差し伸べてやれるようにと。
暗く闇に包まれていた俺の心を照らしてくれたのは自分より小さな少年だった。
彼の温かな小さい手。
彼の素直で偽りのない気持ち。
いつもきらきらと輝く笑顔。
彼が笑うと何故かいつも俺も笑っているんだ。
彼が悲しむと何故かいつも俺も悲しくなるんだ。
彼と一緒に俺の感情も動く。
彼の感情が俺の感情となる。
弟となった少年。
血の繋がりが無くとも俺達は他の何かで繋がっている。
そうは思うもののその何かが見つけられず時には大きな不安に襲われる。
誰かに認めてもらいたい。
みんなから兄弟だと言ってもらいたいんだ。
胸を張って兄だと言えるように。
やっと見つけた光だから。
手放したくない。
例えばもしこれは全て夢で目を覚ましてしまった俺に独りぼっちの現実が突き出されたら…。
もし突然彼が俺の前から消えてしまったら俺はどうなってしまうんだろう?
翼を撃ち落とされてしまった鳥の様に死んでしまうのだろうか?
目の前の光を失ってしまうことを恐れ眠れない夜もある。
だが、彼の笑顔はそんな不安さえ一瞬にして吹き飛ばしてくれる。
もしも何か一つだけ神様から貰えるのならば彼との大事な繋がりが欲しい。
それさえあれば俺はもう何も求めない。
たったそれだけで俺は十分生きていける。
彼は俺にとってこの上なく大事な存在となった。
世界でたった一人の大切な家族。
俺の中で目映いほど光輝く彼。
そして俺も彼の中で兄としていつまでも輝いていたい。
これから未来どんな事があったとしても俺達はたった二人の兄弟だからな。