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□〜無茶〜【D兄弟/ルフィ】
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外は嵐だ。
俺は昨日見た一匹の子猫が頭から離れなかった。
崖の上で寂しそうにないていた。
「大丈夫かな…あいつ…。」
こんなに嵐がひどくなるんだったら連れてくれば良かった…。
罪悪感があった。
嵐は一向におさまる気配はない。
俺は心配になって見に行くことにした。
もちろん兄に言えば心配をかけてしまう。
気付かれないように出て行ってすぐに戻ってくれば大丈夫だろうと思い、裏口からこっそり外に出た。
激しい雨の中傘もささずレインコートも着ず冷たい雨に打たれながら村の端の崖に走った。
「あっ!」
上を見上げると昨日の子猫が一匹丸くなってないている。
俺は崖を登り子猫に手を伸ばした。
しかし子猫は怖がって近くに寄ってこない。
「ほら!!こっち来いよ!!」
急な斜面と土砂降りの雨で手足が滑る。
もう少し…
もう少しで手が届く。
必死に手を伸ばしていると子猫が恐る恐る近寄ってきた。
「おいで!!!」
子猫はルフィの手に届いた。
「ルフィ!!てめぇ何してんだ!!」
「!?」
突然名前を呼ばれ振り返った。
そこには息を切らして俺を睨んでいる兄がいた。
「エー…」
エースと呼ぼうとしたその時、
足を滑らせてしまった。