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□〜無茶〜【D兄弟/エース】
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昨日からずっと嵐が続いている。
すごい風と雨で外に出ることも出来ない。
村の大人達は川の氾濫を防ぐためにレインコートを着て外に出ていた。
俺はそんな外の様子を家の窓から眺めていた。
家にいるだけじゃ何も出来ない。
つまらないと言った表情で家の中をキョロキョロと見回してみると…。
「あれ?」
弟が何処にもいない。
家中探し回っても弟は見つからない。
その時、俺はふと昨日弟が言っていたことを思い出した。
「なぁ〜エース…。明日晴れねぇのか?」
「なんでだよ?」
「今日村の端の崖の上に子猫がいたんだ。弱ってたんだけど俺そのまま置いてきちまって…。」
俺はあまり食い入ることなくその話を聞き流したが…
もしかしたらルフィのやつこの嵐の中その子猫んとこに行ったんじゃ…?
俺はすぐに家を飛び出した。
「村の端の崖っつたら今すごく危ぇだろが!!!」
あの崖は大きな嵐の度に土砂崩れを引き起こしている。
川沿いにいた大人達に呼び止められながらも俺は走りつづけた。
近くまで来ると案の定ルフィのやつが崖をよじ登り崖の上にいる子猫に手を伸ばしていた。
レインコートも着ず体中泥だらけだ。
「あんの馬鹿!!」
俺は崖のすぐ下まで行き
「ルフィ!!てめぇ何やってんだ!!」
と怒鳴った。
ルフィは俺の声に気づきこっちを見た。
「!?エー…」
その時だった。
俺の名前を呼ぼうとしたルフィは足を滑らせ崖から落ちてしまった。