短編(学園)
□貴方の全てが好き
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私には、気になる人がいます。
その人は、ちょっと地味で少し頼りなくて、無愛想だけど…
私にとっては、全てが格好良くて…
そんな所を含めて大好きなの!
『みーさきちゃん!』
岬「…なんだよ‥」
『なんだよって、なくない?』
岬「抱きつくなッ!!//」
『照れちゃってー!可愛いなぁ、もうっ!」
岬「離れろッ!!//」
私達を見て、周りで見ていた人達が冷やかしてきたり、クスクス笑っている
別に、私は気にしない
だけど、岬は違ったんだよね
岬「っ…//いいから離れろよッ!!」
「ヒューヒュー!お2人さん熱いね〜!」
『だってー!』
私は抱きつきながら、岬に言った
『岬ちゃん!聴いて、あのねっ!』
岬「…俺はっ、お前なんか大嫌いだ‥ッ!!」
『え…?』
岬「あ…いや、今のは‥」
さすがに…
さすがの私も、大好きな人に…
大好きな貴方に、
“大嫌い”
なんて、言われたら…
自分の一方的な気持ちだったとしても、
やっぱり…
ショックだよ…
私は、いつの間にかその場から走って逃げていたらしい…
息が思うように出来なくて…
瞳から何か零れて、止まんないし‥目の前が霞む…
しかも、心が痛いよ…
私はその場で、泣き崩れた
『うっ…うぅ‥ッ!!』
泣いていると、前から岬が走って来た
なんで…
なんで来んのよ…
私が嫌いなら、ほっといてくれればいいじゃないっ…
岬が嫌なら、諦めるし‥もう近づかないから…
だから、
大嫌いなんて、言わないで…っ
岬「◯◯◯…っ」
『岬…ちゃ……っ、私っもう近づかないから‥嫌なら、諦める…っから‥だからっ…だから、嫌いなんて…言わないで…ッ』
岬「……◯◯◯、分かったから泣くな‥」
『だっ…て‥』
岬「俺は…っ、お前の事嫌いじゃない…」
『さっき、嫌いって…言った‥じゃんッ…』
岬「あれは、その…恥ずかしくて、言ったというか……すまん‥」
『でもっ、岬ちゃん私の事、大嫌いだって言ったぁー…!!うぅ‥うあぁぁぁんっ!!』
泣き叫ぶ私に、岬ちゃんは困った顔をして、オドオドしている…
だけど…
岬ちゃんが、あの堅物な岬ちゃんが…
いきなり、こっちが恥ずかしくなるくらい…
顔を真っ赤にしながら、大声で叫んだ
岬「俺はっ!◯◯◯が好きだっ!//」
私は
恥ずかしがり屋な彼も
堅物で無愛想な彼も
ちょっと地味な彼も
私は
全て好き
好きだから、大好きだから…
大嫌いなんて言われたら…
やっぱり私は傷付くから…
だからね、
もう、大嫌いなんて言わないでね
『私も…大好きだよ』
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貴方の全てが好き
(…おい)
(あっ!ナル!)
(げっ……;)
(今の告白、あっちの方まで聴こえてたんだけど)
(おぉー!だってよ、岬ちゃん!)
(なっ…!//)
(やるね、下僕のくせに)
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