桜の花が舞う季節
□[08]Hanataro
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「山田花太郎です」
「「逆に覚えにくい!」」
さっきの四番隊の男の子も一緒に連れて来てしまったようで。
弱々しい男の子は自ら自己紹介をし、山田花太郎と名乗った。
花「ええっ!?みんな覚えやすくていい名前だって言ってくれますよ!?」
護「そうか?山田太郎とか山田花子なら分かるけど花太郎って。覚えにくい、覚えにくい」
岩「つーかオマエ俺らの敵だろ?なんで自己紹介とかしてんだよ?」
...。
花「…そう言えば…そうですよね…」
『(花…変わってないね)』
猫の●●●は懐かしむように微笑んだ。
護「しっかしなぁー…その白い塔にルキアがいるってわかってても…問題はそこまでどの道を使って行くかなんだよな」
一護と岩鷲は せい霊廷全図 と岩鷲作の地図を広げて見ている。
なんとも大雑把でほぼ丸しか書いてない。
岩「やっぱ隊長格とはあたりたくねぇもんな。敵の配置が分かればなあ」
護「つーか…オマエ。この地図 道書いてねぇじゃねぇか…」
『にゃあ…』
護「あ。センパイ。センパイなら分かるんじゃないのか?」
一護と岩鷲は●●●を見つめる。
『…にゃあ;』
花太郎がいる前で喋れない●●●は困った顔をする。
猫に話しかけ答えを求める2人に花太郎は首を傾げる。
花「猫さんに聞いて分かるんですか?それに…その猫さんは貴方のセンパイなんですか?」
護「…まぁ。そんなとこだ。」
岩「猫がセンパイって普通に聞いたらヤバい奴だな」
護「うるせーよ!」
ギャアーギャアーとまた喧嘩を始める2人をよそに、花太郎は真っ白な青い目をした猫を見つめる。
そして花太郎は、懐かしむように、少し泣きそうな顔をしながら猫の●●●の前に正座をした。
花「…猫さんの瞳…何だか懐かしい感じがします。とても…僕の憧れの人に似てる気がします…」
『………』
泣きそうな花太郎ぬ一護は声をかける。
護「さっき、一角も言ってたな」
花「まぁ…とても凄い人だったんですが…昔、その…」
言葉を濁しながら花太郎は亡くなったんです。虚に殺されました…と話した。
花太郎は昔を思い出し泣き出してしまった。
花「う…うわぁーん!●●●さーん…!」
一護と岩鷲はうるせーと耳を塞ぎ、猫の●●●を見て、何とかしろと訴える。
●●●はため息を吐くと、花太郎に話しかけた。
『…花太郎。…泣かないの』
花「うっ…うっ……ついに●●●さんの声まで聞こえてきました…」
『…花。泣かないの、男の子でしょう?』
花太郎は猫の●●●をぽかーん…と見つめる。
『私よ、花。●●●よ』
ぽかーん。
花太郎は首を傾げた。
花「猫さんは僕をからかってますか?」
『はぁ…どうせそのうちバレるだろうから…』
護「いいのか?センパイ?」
『大丈夫でしょ?花太郎だし』
そう言うと、猫の●●●の身体がまばゆい光を放ち始めた。
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