桜の花が舞う季節
□[07]Pupil of sapphire
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角「た…助けにって…お前ら何人で来た!?せいぜい7・8人だろ?」
護「一応、5人と4匹ってコトになってる」
角「何だ4匹って!?てか本気でその人数で助ける気か!?」
護「そうだ!」
言い切る一護に一角は笑い始めた。涙が出るほど大爆笑している。
角「ぎゃははははっ!!!でっ…できるわけねーだろ、そんなの!!バカじゃねーのかお前!」
角「ぐォっ!?笑いすぎて傷口が…!!」
護「バカじゃねーのか、お前?」
ぶしっ、と傷口が開いて血が噴き出した。誰もが思っただろう、コイツはアホだと。
角「…はァ、まァいーや…てめぇがそいつをどうしようと興味はねぇよ。助けに行くってんなら、好きにすりゃいい」
角「オラ!モタモタしてっと他の連中に見つかんぞ!行くならとっとと行け!」
護「お…おう」
そして、一護が行こうと走り出した瞬間…一角は一護を呼び止めた。
角「…ちょっと待て。一つ訊いていいか」
角「お前らの仲間で…一番強ぇのは誰だ?」
一護はその問いに真剣な表情で答えた。
護「……4匹を除いては、多分俺だ。」
角「――…そうか。だったらウチの隊長に気をつけな、ウチの隊長は弱い奴には興味が無ぇ」
『(――…更木剣八か、)』
角「てめーの言うことが本当なら、狙われるのは間違いなくてめぇだ」
護「…強いのか」
角「会えばわかるさ…まぁ、あの人の強さをてめーの頭が理解できるまで、生きていられればの話だがな」
護「……そいつの名前は…」
* * *
角「…さっさと行けよ」
護「あぁ。じゃあな一角」
角「ふん…」
『にゃあー』
一角は猫(●●●)と目が合った…
その目を見つめ、一角は悲しげな表情を浮かべた。何を想い、そのサファイアの瞳を見つめているのか…
角「その猫…」
護「どうかしたか?」
角「いや…そいつの目が、知り合いと似ててな」
護「……猫の知り合いか?;」
角「ちげぇーよバカッ!!」
ぐわっ!!叫ぶ一角…また傷口が開きそうだ。
角「…死んだ、あのバカ女と同じ瞳の色なんだよ」
護「(…せんぱいのコトか?)」
角「さっきの血止め薬も、その女が作ったモノだ。それを弟子が引き継いで作ってる」
『にゃあ?』
懐かしむように一角はそのサファイアの瞳を見つめていた。
角「…アイツが生きてたら、」
護「生きてたら…?」
角「いや、何でもねーよ。…ホラ!早く行け!」
護「……じゃあな」
走り出した一護の遠くなっていく背中を見ていたあと…一角は空を見上げていた。
角「…逢いてぇな、あのバカ女に」
角「死んでんじゃねーよ……●●●―――」
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