桜の花が舞う季節
□[05]The Shooting Star Project
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――――…
志波家に相談しに行くと言っていた夜一。あたし達も、少し遅れて志波家へと到着した。
何やら岩鷲が叫んでいるようだが…話は多分、海燕さんのことだろう。岩鷲はルキアを助けに、一緒に行くみたいだった……夜一の尻尾が変な形に曲がっているのも気になるけれど。
『――遅くなった』
護「遅ぇーよ、先輩」
『ごめん、ごめん』
護「って…うおっ!人型!?」
動物の姿じゃないあたし達に驚く一護。元は人なんだから、普通だと思う。
でも、一護よりも驚いている奴が1人いた。
『久しぶりだね。岩鷲、それに空鶴も』
岩「おまッ……」
空「●●●!!お前、生きてたのか…!?」
そりゃあ、生きてるよ。何せ死んでないんだから、存在を消しただけで。
まぁ、あたし達は死んだことになってるから、当然の反応よね。
『あたし達が…簡単にくたばるとでも?』
そう言ってニッ、と笑ってやれば空鶴は唖然としていた後、下を向いて笑い出した。
岩鷲は鼻水を出して、オイオイと泣いている…
空「そーだよな、てめぇらが簡単にくたばるワケがねぇーな」
岩「ンだよ…生きてたのかよ…!」
『バカね。…男のクセに泣くな』
ゴンッ、と軽く岩鷲の頭を殴りあたしは笑った。痛いと半泣きの岩鷲だが、表情は笑っていた。
護「何だ、知り合いだったのか?」
『まぁね』
空「てめぇらの話は後で聞かせてもらう。準備は出来てるか?」
『もちろん』
ニッ、と笑う空鶴にあたしも笑顔を返した。
隣では一護が疑問を浮かべていた。
護「なぁ、これって中に入る全員で霊力を込めて砲弾作るんだろ?」
一護が手に持っていた“霊珠核”をあたしの前に出した。
護「俺らは必死こいて練習して、砲弾作れるようになったけど…夜一さんと先輩達は出来るのか?」
夜「…要らぬ心配じゃの…どれ、そいつをそこに置いてみろ」
キィン……
夜一はいとも簡単にやってのけた。それに続いて、あたしも聖流も楓もすんなりとやってのける。
それを見て、一護は何故が落胆していた…そんなに落胆するコトかと、思っていれば、雨竜が理由を説明してくれた。
事によると、一護は霊力を固めるのにかなり苦労したらしい…それをあたし達が、容易く出来てしまったのが悔しいという。
聖「何だ一護、コレが出来なかったのか」
楓「違う意味で尊敬するよ」
『アホなの、あんた?』
グサ、グサッと一護に言葉の矢が刺さった。……あ、心が折れた。
空「さて…中に入れてめぇら!始めるぞ!!」
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