桜の花が舞う季節
□[09]Name of the sword
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―――ゴゴゴゴゴ……ばんっ!!!
大きな穴の中から眼鏡にヒビが入り、少しボロボロになったテッサイがにょこっ、と顔を出した。
ジン太はそれにビクッとして声を上げた。
ジ「おわ!!無事だったのかよテッサイ……さん!」
テ「何が無事なものですか」
テッサイは、よいしょっと、穴から出てきた。
テ「眼鏡が重体です」
ジ「要するにアンタは無傷なんだろ;バケモノめ;」
ジ「まァ、いーや…その割れた眼鏡でもかけといた方がいいぜ?姉ちゃんが刀抜いて、面白れーコトになってんだ」
喜「見なきゃ損っスね!」
―――――……ドォァン!!!
もの凄い音をたてて、大きな岩に穴が開き…バラバラに崩れていく…
護「や…やるじゃないっスか!そんな小さい刀でよ!」
『あら、褒められちゃった。……でも、だからって手加減はしないわよ?』
ニッコリ笑って斬り掛かってくる●●●に、一護は必死に逃げる。
護「のぞむところだ、ちくしょうめ!!;」
……まて、まてまてまて?
あれって斬魄刀なのか?
斬魄刀が2つもあって、あんな小せぇーわけがねぇ!!
次の瞬間…
ドッ!!という音と共に、一護のこめかみ辺りから、血が出ていた。
―――――……え?――
『気を抜いたわね。“斬魄刀が2つもあって、こんな小さいわけがない”そう、思ったわね?』
『つくづく甘いヤツね』
護「!!―――」
●●●は一瞬、冷たい瞳で一護を睨んだ…
そして、何かを唱え始めた。
“月の衣を身に纏い・月の刃で乱れ舞う”
『―――月恋花』
すると、さっきの短剣が光り出し、形を変えていく…
刃の部分は三日月形にに変わり、銀色に輝いている。
柄の色もさっきよりも濃い色になり、一回り大きくなった。
護「…………!!」
『これはね、二刀一対の斬魄刀の刀なのよ』
護「斬魄刀の……名……」
『そう、斬魄刀にはそれぞれ名前があるのよ。そして、これが…この子達の名前…』
そう言って、●●●は刀を構える…
『……さぁ、遊びましょ“月並”“月刃”』
その瞬間…
もの凄い音をたてて、大きな岩が割れ、一護が吹っ飛ぶ…
一護が体勢を立て直そうとした時には、●●●の次の攻撃が仕掛けられる。
一護は折れた斬魄刀で必死に受け止めた。
『逃げもせず、その折れた刀で刃を止めた事は褒めてあげる。大した度胸ね』
そして…
●●●の目が鋭くなる…
『だけど…そんな斬魄刀で防ぎきれるほど、この子達は優しくないわよ』
護「!!!」
一護の刀はバリッ…と音をたてて斬られてしまった。
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