桜の花が舞う季節
□[08]Lesson start
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「どっひゃ――!!何だこりゃーっ!!?」
「あの店の下に、こんなバカでかい空洞があったなんてー!!」
護「ウルセーな;わざわざ代わりに叫ばなくても、充分ビックリしてるよ;」
驚かない一護の代わりに、喜助が叫んでいる…
多分、驚いて欲しかったのだろう。
今…●●●達は浦原商店のバカでかい地下に来ている。
喜「フフフ…そうです、何を隠そうこの<勉強部屋>!黒崎サンのために我々のオーバーテクノロジーの粋を結集して、たった一昼夜で完成させたシロモノなのです!」
喜助はそう自慢気に語っている。
護「あれか?あんたらの店長は、客を無視して話を進める主義なのか?;」
テ「…………;」
テッサイはノーコメントだ……
喜「閉塞感を緩和させるために、天井には空のペイントを!」
護「刑務所と同じ考えだな」
喜「心に潤いを与えるために、木々も植えておきました!」
護「一本残らず枯れてるな」
喜「これだけのものを道路や他人様の家の地下に、ナイショで造るのはそりゃあ骨が折れましたとも!」
護「よくわからんが、犯罪なんじゃねぇのか、そういうのって?」
自慢気に話す喜助に、一護は最もだが鋭いツッコミを入れていく。
護「まぁ、いいや。時間が無ぇんだろ?さっさと始めちまおうぜ」
喜「おや、いい心掛けっスねぇーそんじゃ、お望み通り…さっさと始めましょ!」
喜助はそう言って、持っていた杖で一護の頭を突くと、一護の体は魂魄の姿で肉体から出てきた。
それから喜助は霊力の事について、一護に話をしたが…
一護には難しかったのか、あまり理解していないようだった。
喜「そうっスね、説明するより始めちゃった方がいい……おーい!用意してー!」
そして、一護の最初の勉強が始まった…
●●●は枯れ木に座り、一護を見つめていた。
その表情は、楽しそうなうれしそうな…だけど、どこか複雑そうな表情だった…
ジ「行かなくていいのか?」
顔を覗き込むようにして、首を傾げるジン太…
『いいのよ、ここで見てるから』
ジ「ふーん」
『…………』
●●●はじっ…とジン太を見つめた。
何だよ、とジン太は照れくさそうに顔を紅くした。
『……髪』
ジ「髪?」
『いや……何でもないよ』
そう言って、●●●はまた一護を見守るようにして見つめた…
ジン太は首を傾げている。
ジ「姉ちゃんもアイツを助けに行くのか?」
『どうして?』
ジ「どうしてって…言われてもよ;」
●●●の返答に、ジン太は困ってしまった。
ジ「もし、あのオレンジ色が死神になれなくても、姉ちゃんは行くんだろ?」
『大丈夫、一護はこの勉強を絶対にクリアできるから』
●●●は笑っていた…
ジ「……姉ちゃん、嬉しそうだな」
『……そう?』
ジ「うん、スゲェーいきいきしてる」
自分でも気付かなかった…
笑っていたことも
嬉しそうな顔をしていたことも…
全然、気付いてなかった。
ジン太の髪色を見て、アイツが浮かんだ。
真っ赤な髪をした、元気なあの男を…
懐かしいな、
アイツは、どんな気持ち何だろう。
ルキアも、どんな事を思って今捕まっているのか…
一護はもう一度、
死神に戻る。
戻って、ルキアを助けに行く。
一護を信じる…
あたしも、一緒に…闘うさ。
頑張って、一護――――
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