桜の花びらが舞う季節
□[17]Cherry tree Scatters After
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2人の墓の前に、1人の男が座っている。
死覇装を身に纏い、赤い髪をした男…
隣り合わせに並ぶ2人の墓をじっ…と見つめて動かない。
そうして何時間もここに居る…
ル「……恋次、捜したぞ」
やって来たルキアが声を掛けても、微動だにせず墓を見つめたまま…
ル「いつまでそこで、そうしている気だ?」
ル「楓が…居なくなったそうだ。霊圧も何も感じぬ…行方不明だ」
何を言っても恋次は反応しなかった…
痺れを切らし、ルキアは恋次に言った。
ル「2人は…“死んだ”のだ。お前がそこに居た所で戻っては来ぬ」
ル「恋次……●●●と聖流は「うるせェー!!!」」
恋次は声を張り上げた…
恋「よくテメェは笑ってられるな、ガッカリだぜ」
ル「なに…?」
恋「人の心がねェのか、お前は悲しくねェのかよッ!!アイツらが…アイツらが!死んだんだぞッ!!」
恋「もう二度と…会えねェーんだ!!!」
恋次の肩が震えている…
目から溢れ出す涙は、止まるコトをしらない…
ルキアは、下を向いてグッ…と拳を握り締めると…恋次の頬を思いっ切り殴った…
恋「――ッ!!?何しやがッ……」
ル「…………」
ルキアもまた……
大粒の涙を流していた…
恋「おま……」
ル「誰が…悲しくないなどと言った?2人が死んで、誰が泣かぬと言った?」
ル「ふざけるなッ!!皆…皆っ悲しいのだ…!辛くないワケが無い…っ」
ルキアの叫びに、恋次は黙ってしまった…
恋「く、そ…ッ何で…何でだよッ…!!!」
恋「クソオオオォォオ!!!」
恋次の叫びは、辺りへと響き渡った…
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