脱色N

□にゃんということでしょう。
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ウル「…という流れで連れて参りました」
藍「成る程。…一ついいかな?」
ウル「はい」
藍「なんで今回はあの目玉ぱーんってしないんだい?」
ウル「グリムジョーの可愛い仕草を一人占めしたいからです藍染様」
藍「ドヤ顔すんな」


火花を散らす二人を他所にグリムジョーは腕の中の猫とじゃれあう。それを静かに眺めていたギンと東仙はため息を吐いた。


市「アカンかわええ!!」
東「…あいつは本当に猫が好きなんだな…」
市「嬢ちゃんキラキラ輝いとるよ!?じゃにーずも真っ青や!!」
東「…ふふ」
市「…あれ、意外やね。怒る思うてたんやけど…」
東「…捨てられた動物を拾いたくなる気持ちは私にも痛いほどよく分かる…」

目頭を押さえる同僚の肩をぽん、と叩くギン。


グリ「なぁ藍染サマ、飼っていいだろ?」
藍「…うーん…」
グリ「…だめなのか?」
藍「いや、その…駄目っていうか…」
グリ「猫嫌いじゃねーだろ?!」
藍「大好きです特に君が☆」
グリ「じゃあいいじゃないっすか!」←無視
藍「……」

なかなか頷かない藍染パパ。

グリ「藍染サマー!!」
藍「…ちゃんと世話できるかい?」
グリ「たりめーだろ!」
藍「死んでもまた連れてこない?」
グリ「お、おう」
藍「わかったよ。許そう」
グリ「やった!!…よかったなぁお前!」
「にゃー!」

グリムジョーと猫は顔を擦り合わせた。

藍「…萌え」
ウル「…萌え萌え」


グリ「そうだ、お前に名前付けてやんねーとな!」
「にゃん」

市「うっわむっっちゃかわええ…!」

グリ「何がいいかな…」
藍「十刃の皆からも募集するかい?」
グリ「それいいな!」
藍「よし。要、皆を」
東「はい」



斯くして集められた十刃。皆最初は乗り気ではなかったものの、大切そうに猫を抱くグリムジョーを見ると彼等も事情を察し大人しく席についた。


ハリ「可愛い猫だな…」
グリ「だろ!」
ノイ「どーしたんだよ、そいつ」

藍「私から話そう」

一同は真っ白な猫から藍染に視線を移す。

藍「実はね、優しい優しいグリムジョーが捨て猫を拾ってきたんだ」
グリ「余計な自己アピールいらねーから」
藍「…はい。…それで彼の元で飼うことになってね。皆から名前を募集しようと」
ザエ「そんなしょうもないことで呼び出したのか」
ウル「虚閃」
チュドーン
ザエ「ぁあああ!何すんだ鉄仮面!」
ウル「無駄口が聞こえたからな」
ザエ「一々虚閃射つな!」
ウル「命令するなカスの分際で消え失せろ」
ザエ「僕の心がどんどん壊されていく」


白猫はグリムジョーの膝からテーブルへと足をかけ、ひょいっと上ると優雅に毛繕いをしはじめる。

ハリ「ふふ…」
ゾマ「美しいですね」
ヤミ「なかなか可愛い奴じゃねーか!」
グリ「だろ?へへへ…」

得意気なグリムジョーに一同は微笑んだ。

ノイ「雪見大福」
グリ「は?」
ノイ「そいつの名前」
グリ「食い物じゃねーか!」
ノイ「そいつ丸まったら多分雪見大福そっくりになるぞ」

ノイトラは白猫の体を掴むと無理矢理丸め込む。猫はキシャーと牙を剥くと、すかさずノイトラに噛みついた。

ノイ「いっっっってぇぇぇ!!」
ウル「…馬鹿が」
グリ「死ねノイトラ!可哀想だろ!!」
ザエ「ノイトラの鋼皮に傷をつけるなんて…!」
スタ「憎しみが勝ったな」
ノイ「畜生ォ…ッ」

白猫は痛がるノイトラからふんと顔を背ける。


ヤミ「シロは?!」
バラ「犬じゃろうそれでは」
藍「ホワイト」
グリ「英訳したってかわんねーわ」
ウル「ぬこ」
グリ「却下!」
ザエ「アルベルト=マグヌス」
ノイ「かっこよすぎだろ」
ハリ「ユキ…というのはどうだろうか」
スタ「お、可愛いなそれ」
藍「スノウの方がいい!」
グリ「英訳はいいっつってんだろが!」バキッ
藍「ぐえっ」

グリ「ユキっていいな!ユキにしよう!」
「にー」
グリ「お前は今日からユキだ!」
「ふにゃぁ〜ん」
グリ「!」

ユキと名付けられた猫はグリムジョーに擦り寄るとその顔をペロリと舐めあげた。

グリ「甘えん坊だなー」
「にゃん」
藍「宜しく、ユキちゃん」
「シャーッ!」ガリッ
藍「いだっ!」
グリ「こいつ、女じゃねーぞ。男だ」
「「「なにっ?!」」」

ガタガタと立ち上がる一同。

グリ「な、なんだよ」
ノイ「そいつ、メスじゃねーのか?!」
グリ「だからなんだよ?」

(((それなら話が別だ!)))

猫に並々ならぬ嫉妬心を抱く十刃達。ユキはそれを知ってか知らずか、見せつけるようにグリムジョーの胸に体をくっ付ける。


グリ「くすぐってーよユキ」
「にゃんにゃん」
グリ「よしよし」
「うにゃん…」

ウル「……」カタカタカタカタカタ
スタ「…おい」
ウル「……」カタカタカタカタカタ
スタ「怖いんだけど」
ウル「羨ましい羨ましい羨ましい」
スタ「…たかが猫相手に嫉妬すんなよ。みっともねーぞ」
ウル「っせー!」



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