脱色N

□アニマろうぜ
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ハリ「グリムジョー…よかった…!」
グリ「…ハリベル?お前ぇ人魚かよ!すげぇ不便そうだな!」
ハリ「お前が無事なら構わない…」
グリ「綺麗なヒレだな!…うまそう」
ハリ「空腹なのか、食べてもいいぞ」
ノイ「いやだめだろ!!!お前どんだけ過保護なんだよ!」

ウル「ぐりにゃん、俺を食べろはぁはぁ」
スタ「いただきます」バクッ
ウル「あああああ貴様じゃなぃぃぃ」
スタ「悪ぃ、無駄口が聞こえたもんだから」
ウル「離して下さい牙が食い込んでいます」

ダラダラと鮮血が白い毛を染めていく様にグリムジョーは顔を歪めつつ笑う。

グリ「スターク可愛いな、狼」
ウル「俺は」
スタ「お前もかなり可愛いぜ」
グリ「後で尻尾触っていいか?」
ウル「俺の尻尾は」
スタ「いいぜ」
グリ「わーい」
ウル「…ぐすっ」

ノイ「そのまま噛み砕いちまえ」
ゾマ「狼は兎を食しますもんね」
ウル「黙れゴリラ!」
ゾマ「ゴっ…?!」

ドドドドド

「「「ん?」」」


地響きに紅茶のカップが揺れる。どんどん近づいてくる足音に、一同は扉を凝視する。

バァアアン

ヤミ「誰かァアア助けてくれぇぇぇ」
「「「ゴリラァアア??!!!」」」


ゴリラが会議室へと突進してきた。

アロ「ゴリラ!ホント二アラワレタ!?」
ノイ「うぉぉすげぇ迫力だぜ!」
ウル「誰だこんな所にゴリラを放し飼いにしたのは」
ヤミ「ちげぇよぉぉ俺だヤミーだぁああ」

ゴリラはウッホウッホと雄叫びを上げて胸をドラミングさせる。


ハリ「ゴリラじゃないか」
市「せやね。完全にゴリラやね」
ヤミ「おぃいい不可抗力だこりゃあ!!」
ノイ「るせーなこいつ…」

グリムジョーはバラガンに寄り添いながら震え出した。

グリ「…うっ」
バラ「ゴリラ!貴様のせいで怖がっておるではないか!」
ウル「おい屑ゴリラ…俺のグリムジョーを怯えさせるな…消し飛ばすぞ!」
ハリ「慎めゴリラ!」
市「いてこますでゴリラ!」
アロ「ゴリラ!」
ヤミ「…うほっ…酷いぜお前ら…!」

ぐすぐすと泣き出すゴリラ。あまりのビジュアルのヤバさに一同はひきつってしまう。

市「ゴリラ!」
ウル「ゴリラ!」
ノイ「ゴリラ!」
アロ「ゴリラ!」

スタ「お前ら言いたいだけだろ」

今、ツッコミはスタークしかいない無法地帯。


ヤミ「…うっうぉぉぉうっほぉぉぉ!!!」
スタ「ちょ、落ち着けってゴリラ!」
ヤミ「……」ピクッ
スタ「やっべ」

ヤミ「許さねぇぞぉお前らぁぁ!!!」

流石憤怒を司るヤミー。ついに堪忍袋の緒が切れた。大口を開けると霊圧を凝縮し出す。


東「…虚閃?!」
藍「…うっ…いたた…やっと目が開い…ってええええ?!ゴリラが虚閃ォオ??!」
市「ヤバイとちゃいます?!」

ヤミ「喰らいやがれぇぇぇ」

グリ「…っ」シュタッ
バラ「!!」

グリ「てめぇがなァアアー!!!」

チュドーン

「「「おおおお!!!」」」
ヤミ「ぐはっっっ」

肉きゅうから放たれたグリムジョーの虚閃によってヤミーは後方へと吹っ飛んだ。


グリ「ふんっ。この俺に虚閃ぶちこむなんざ一万光年はえーんだよ」

(((に、肉きゅうから…虚閃…萌っっ)))


ペロペロと毛繕いをすると辺りを見回す。

グリ「なぁ、ザエルアポロは?」
東「そういえば…奴はまだ…」
藍「……」

「「「あいつかぁあああ!!!!」」」


全員は響転でザエルアポロの宮へと向かった。



「「「出てこい引きこもりィイイイ」」」

バンッ

ザエ「ひっ?!」

そこにいたのは、一羽の鳥。十刃達は固まる。

ノイ「お、お前も…?」
ウル「貴様の目論見ではないのか?」
ザエ「君は兎か…随分と可愛い動物になったね」
ウル「御託はいい。消すぞ」
ザエ「…いや、実は…薬物同士で化学反応を起こしたみたいで…」
藍「化学反応?」
ザエ「その時に生じた煙を浴びた者が…恐らく動物になったのかと」
ゾマ「…成る程。変化していない私達は留守にしていましたからね」
スタ「…ついてねぇな」

グリ「……フゥー!!」ダッ
バラ「小僧?」
グリ「ニャァアー!!!」
シャッ
ザエ「ぎゃぁあ!!」

グリムジョーはバラガンの腕の中から飛び出すと、ザエルアポロへと一直線、爪を出して飛び掛かった。

ハリ「グリムジョー怪我するぞ!」
ウル「止めるなハリベル」
ハリ「なに?」
ウル「録画中だ」ジーーー
ハリ「目ん玉抉るぞ」
ウル「いたたたた」

バラ「一体どうしたんだ?!」
スタ「…猫だから、食いてーんじゃね?」
「「「あ〜」」」

ザエ「納得してないで助けろ!!」
グリ「シャァッ!」
ザエ「ひぃぃっ?!僕が食べられたら君たち元に戻らないんだぞ!」
市「そりゃアカンわ。嬢ちゃん、めっ!」
グリ「……ちっ」
ザエ「舌打ち?!」


救出されたザエルアポロは机にとまると羽で体を払う。

ノイ「…なぁ」
ザエ「なんだい?」
ノイ「その体でどうやって薬いじんだ?」
ザエ「……」

グリ「シャァアー!!!」
ザエ「ぎゃぁああああああ!!」



【アニマろうぜ】


次の朝、六人の体は元に戻っていた。

藍「ザエルアポロ、グリムジョーをまたにゃんこ化してくれないか」
東「また引っ掻かれますよ」

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