Dream

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>笑

「そしたらよ、ナミの奴キレてその店員ぶっ飛ばしちまったんだ!」
「本気で手ぇだしたのか…流石だな」
「あの女ならやりかねねーなァ」
「あはは、今のナミにチクっとこー」
「ふっふざけんなよ!」
「いいのか、お前友達二人いなくなるんだぞ?!」
「殺される気満々?!」
「ぎゃはは!」

他愛ない会話をしながら帰宅していたら見知らぬ男達(それも怪我してる)に囲まれた。

「…ん?なんだお前ぇら??」
「俺達を忘れたとは言わせねぇ!」
「忘れた」
「「「オイッ?!」」」
「ちょ、ちょっとルフィ…!」
「だって知らねぇんだもん。お前ら知ってるか?」
「あ?こんなひょろっちい奴ら知るわけねぇだろが。なあ?」
「ああ…」
「キッド、ロー!」

キレ始めてるんですけど相手!!こいつら空気読めないのっ?!

「…前に喧嘩して負かした人達なんじゃないの?!」
「そうなのか?」
「私に聞くな!!」
「そうなのかーお前ら?」
「あいつらにも聞くなァアア」
「〜俺の腕はてめぇに折られた!こいつらの足はユースタス!そんで、あいつらの顔はトラファルガー!先週のことだ!!」

顔を赤くし涙目で叫ぶ男達。
なんか可哀想になってきた…

「ほらぁ!」
「あー…あったかもしんねぇ」
「あったっけ??」
「骨折った相手のことも忘れたの?!」
「「うん」」
「…あり得んッ…てかロー顔ってなに顔って?!」
「顔を重点的に狙った」
「性格悪ッ」
「いっいい加減にしやがれェ!今日はてめぇが痛い目にあう番だ!」
「くたばれクズ!」
「ひぃぃっ」
「「「……」」」

今にも襲いかかろうとしてますけど!
怖いよ鼻息荒いよ!!!

…とびびってるのは私だけで、
三人は奴らを軽く一瞥、そして同時に前に出た。
…同時?

「「「…ん?」」」

「おい、俺がやる!」
「あ?!俺だよ!」
「…俺だ!」
「こんな時に喧嘩すんなっ!」ばきっ
「「「すんません」」」

「死ね麦わらァア!」
「!」
「ルフィ危ない!」

が、ルフィはその鉄パイプをさっと普通に避けて、男の鳩尾にそれはそれは速いパンチをお見舞いした。

あれ?さっきの私の心配は?

「ぐあ…っこの野郎ぉ!」
「キッド!ロー!名無しを連れて先行け!」
「はっ…殺してやんなよ麦わら屋」
「わかんねぇ!ははっ」
「え?!え?!」
「行くぞ名無し」
「ぎゃっ」

キッドに担がれルフィ達の元から走り去る。

「待ってルフィは?!」
「あ?いーんだよ」
「よくないよ!一人だよ?!」
「じゃあお前一人で逃げられんのかよ」
「られません。…ってきゃぁああ?!」
「っせぇな!今度はなんだよ?!」
「追いかけてきたぁあああ」

逃がすかァアとかぶち殺すぞォオとかなんか物騒な言葉を撒き散らしながら凄い形相の男達が迫る。
下手なホラー映画よりよっぽど恐い…!

「だろうな」
「だろうなって…ちょ?!」

止まったキッドは私を降ろすと薄っぺらの鞄を投げ捨て、バキボキと骨を鳴らす。
あ、こっちの方が恐かった。

「ここは俺が殺るぜ」
「字!字!!」
「ユースタス屋がそのまま名無しを連れて逃げればいいだろう。ここは俺が…」
「お前ぇの方が足はえーだろ」
「…まぁ」
「名無しも一応女だ。さっさと逃してやった方がいい」
「一応って?一応って?!」
「わかった…。なら次は譲ると約束しろ」
「覚えてたらな!」
「…名無し、」
「わっ」


…私は見た。
跳び蹴りを喰らわそうとした男の足をそのまま掴んで地面に叩き落とした時キッドの顔を。

「般若!!!」
「は?」
「なんでキッドあんなに嬉しそうなの?!笑ってたよ?!舌舐めずりしてたよ?!」
「ああ…あいつイイ顔してるよな」
「怖いよぉぉ」
「…待て、止まれ」
「?」

…嘘やろ。
逃げてきたのになんで前に敵がいるんですか。

「ロォオオオ」
「…大丈夫だ、騒ぐな」

ローは私の前に立つ。
男達の目はギラギラとして受験生にも負けない輝き(こいつらの場合鈍い光だけど)を放っていた。

「てめぇだけは絶対に許さねぇ!」
「だから誰だお前」
「忘れたとは言わせねぇぞコラァ!!」
「!」
「きゃあっ?!」

男は蹴りかかってきたけど、ローは鞄でそれを防ぎ、カウンターを一発。地面に倒した。


「…俺はっ!お前に顔踏まれて鼻曲がったんだぞ!?」

…だから顔面ギプスはめてんのか。
可哀想すぎる…。

「生憎、雑魚なんていちいち憶えてらんねぇんだよ」
「…なんだと?!」
「まあ…憶えてるような強い奴に会ったこともないけどな」

なんで挑発してんのこの子?!

「…憶えててほしいなら…こうやって」
ぐしゃ
「ぎゃあ!」
「ひっ?」
「俺を地面に擦り付けてみろよ」



身近な人程恐ろしい奴が潜んでいる


「名無し無事かぁ!」
「…あん?」
「うっ…」
「なんか…突然泣き出した」
「三人が一番怖いよー!!」


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