Dream
□8
1ページ/1ページ
>和
「どけどけどけー!!」
雄叫びと共に響く足音。
生徒達は驚いて身を引く。
最早見慣れた光景ではあるものの、やはり自然とその二人へと視線が集まる。
「ロビーン!」
「あら、ルフィとロー」
「焼きそばパンとカレーパン2つずつ、あんぱんとチョココロネ、それと焼きたてメロンパン4つな!」
「あと菓子も」
「もう用意してあるわ」
その大荷物をルフィが受け取るとローは財布から金を出す。
「ありがとう」
「行くぞ麦わら屋」
「じゃーなロビン!」
「ふふ…転ばないようにね」
そしてまた再び廊下を駆け抜けていった。
走んじゃねー!と言う担任の怒号を聞き流しながら二人は屋上への階段を二段飛ばしで上る。
扉を開けるとルフィは叫んだ。
「よっしゃ、今日は俺らが先だ!」
「…残念だったな、麦わらぁ」
「えっへっへー♪」
「…ちっ」
上から聞こえた声に顔を向けるとシタリ顔のキッドと名無しが給水タンクの上から飛び降りてきた。
「ちっくしょ〜!またかよ!」
「でも今日は早かったね」
「久々に本気で走ったぜ」
騒ぎながら真ん中へ移動し四人は戦利品を囲んで座り込んだ。
「メロンパン四人分ゲットしたぞ!」
「私達もね…へへ、見てよ!」
「…おい、どんだけ買ってんだよ」
「こいつ自販の中の全種類買いやがった」
「一回やってみたかった!」
「視線ハンパなかったぜ…」
項垂れるキッドの隣でパックの飲み物を四人平等に分ける名無し。
「ははっ小便の量やばそーだな!」
「ルフィ汚いっ」
「や、笑えねー。普通にキツイ」
「持って帰るか」
「ロー意外と経済的だね」
「俺はキラーにやる」
「ええ!自分で飲もうよそこは!」
「お前ぇは飲めんのかよ」
「…う、うん」
「ぎこちねーなオイ」
「言ったな、絶対飲めよ」
「ローの意地悪この野郎!」
食べ散らかす四人。
明らかに四人分ではないその食料もあっという間に姿を消してしまった。
「じゃーん!」
名無しは背後に隠していたビニール袋を取り出した。
「今日はゼリーとプリンもあるよ!」
「よっしゃー!」
「俺プリンな」
「はいはい」
「…これとろけるやつじゃねーんだけど」
「文句あんなら食うな!」
「あ、返せよユースタス屋」
それぞれに渡すとあることに気付く。
「名無しースプーンねぇのかぁ?」
名無しとキッドは顔を見合わせた。
「…あ」
「…やべ、忘れてたぜ」
「急いでたからね…」
「おいどうすんだよ」
「こーやって…飲めねーかな?!」
「小学生みてぇなことすんな麦わら!」
「ツメの甘い奴らだな」
「「没収」」
「冗談だから返せ」
誰がスプーンを取りに行くか、高校生とは思えぬ剣幕でじゃんけんが始まった。
これが、彼らの昼休み。
昼休みバトル
「名無し負けー!」
「うそー!なんで!やだ!」
「行ってこい敗者」
「ローの分は持ってこない」
「ごめんなさい」
「てか普通女の子に行かせる?!」
「…ったくしょーがねぇな」
「おお、キッド行くのか!」
「キッド大好きー!」
「…待て、なんか気に喰わねぇ。俺が行く」
「よし行ってこい」
「ユースタス屋ァ!!」
.