Dream

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>甘



「ルフィー」

目の前で爆睡する友人を呼ぶ声に名無しは振り向く。


「あれは…ルフィのお兄さん!」

急いで席から立つと廊下へ向かう。


「エースさん、」
「あんたは…ルフィが言ってた名無しちゃんか!」

名前が知られていることに驚く名無し。

「弟から聞いてるぜ、いつもありがとな!」
「い、いえ!こちらこそ」
「はは、そんなかしこまんなよ」

白い歯を見せて笑うエースに名無しは少し俯く。

「ルフィは?」
「あ、今爆睡中でして」
「相変わらずだな。悪いんだけどこれ、ルフィに渡しといてくれるか?」
「お弁当!」
「おう、作るの忘れててよ」
「エースさんが作ってるんですか!」
「ああ」

弁当箱を持つ手に自然と力が入る。

「じゃあ渡しておきますね!」
「頼んだ!これからも弟を宜しくな」
「はい!」
「じゃあ…」

踵を返そうとしたエースだったが「…あ、それと…」と立ち止まる。


「エースさん、じゃなくてエース、な!」
「!」
「それじゃーな!」


名無しの頭を一撫ですると今度こそ大学校舎へと去っていった。


「……かっこいい…」



人の兄や姉がカッコよく感じる


「おはよ、お兄さんがお弁当届けてくれたよ」
「エースが!?ありがてー!」
「…ルフィ、」
「ん?」
「今度遊びにいっていい?」


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