脱色N
□アニマろうぜ
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パリーン
ザエ「あっ!しまった!!!」
シュゥウ〜…ボカンッ!
ザエ「うわっ?!なんだこの煙っ…げほっ!」
瞬く間に広がった煙はザエルアポロの宮だけでなく、虚夜宮内まで侵入していった。
そして、
「「「な、なんじゃこりゃぁああ?!」」」
事件は起きた。
藍「…皆、遅いね。どうしたのかな」
いつもの様に十刃の会議が開かれていたが今集まっているのは藍染、東仙、バラガン、ノイトラ、ゾマリ、アーロニーロのみ。
ギンは勿論、ハリベルやウルキオラがいないのは珍しく、一同は首を傾げていた。
藍「要、ギンはどこだい?」
東「それが…見当たらなく…」
藍「…他の皆を知る人はいるかい?」
ノイ「知らねー。中止すんなら帰っていいすか」
東「ノイトラ、慎め」
ノイ「ちっ…」
藍「おかしいな…」
バンッ
「「「!!!」」」
扉が開く。視線を移すとそこにいたのは…
「「「人魚ぉ?!」」」
ハリ「遅くなりました…」
水槽に入った美しい人魚…ではなくハリベル。アパッチら従属官三人が苦い顔で一歩前へ出た。
ミラ「あの…実は…朝、ハリベル様を起こしに行ったら…この様なお姿に…」
スン「とりあえずここへお連れしましたわ」
鮫型の尾ひれをはためかせるハリベルの入った水槽をガラガラとテーブルの前へ移動させると、三人はそそくさとその場から去ってしまった。
藍「ハリベル…一体」
「お気にせずに、会議を始めましょう」
ノイ「いや気にするわ!」
東「何故こんなことに…」
ハリ「私にも分かりません」
すると次に会議室へと入ってきたのは
ウル「お待たせ致しました」
「「「おおお兎が喋ったぁああ」」」
ウル「ウルキオラです」
ぴょんこぴょんこと跳ね回り、自分の椅子へと登る。真っ白な毛並に透き通る翡翠色の瞳。間違いなく彼の特徴を示している。
ウル「理由は分かりません、起きたら小動物へと成り下がっていたのです」
藍「君もか!」
ノイ「ぎゃっはっは!兎!お前ぇが!!」
ウル「…虚閃」チュドーン
ノイ「ぎゃぁああ!!」
ゾマ「獣化しても技は使えるのですか」
ハリ「私も使える」
バラ「一体どういうことじゃ。残りの奴等も変わっているのか?」
アロ「可能性ワ、アル」
市「いやぁ、参ったわ〜」
続いてやってきたのはギン…狐Ver.
藍「ギ、ギンンン??!」
優雅に近付くとテーブルへと登る。
東「お、お前も朝起きたら…?」
市「あら、なんで知ってるん!」
ハリ「私達も同じ症状だ」
市「…人魚はんに…兎はんかい。凄い絵やな」
ノイ「お前が狐ってところに作意を感じる」
市「僕そない狐っぽい?」
「「「うん」」」
市「ひど〜」
ケラケラ笑うギンを他所にまた再び扉が開いた。
スタ「ふぁ〜」
「「「!!!」」」
ふさふさの毛を靡かせ、狼と化したスタークは欠伸をしながら一同へ歩み寄ると、さも当たり前の様に席につき顎をテーブルに乗せ眠りだした。
「「「って寝るな!!」」」
スタ「むっ」
気だるげに蒼い眼が開かれる。
スタ「なんだよ。そりゃちょっとばかし遅刻したけど…」
ノイ「てめーの姿形のことじゃ!なにいつも通り過ごしてんだ!!」
スタ「…んなこと言ったって…俺が知るかよ」
ウル「貴様もか」
スタ「うわ、お前もかよ。兎?可愛いな」
ウル「……照」ポッ
ノイ「喜ぶなッ」バキッ
東「…犬…わんわんお…っ狛村ァアア」ギュッ
スタ「ぐえっ」
ノイ「お前も喜ぶなッ」バキッ
藍「…スタークが、狼…ハリベルが、鮫」
藍染は俯き、ふるふると体を震わせる。怪訝そうにギンは近づこうとするといきなり立ち上がった。
藍「グリムジョーは…にゃんこ?!!」
「「「なにィイイイ??!!!」」」ガタガタッ
その言葉に一同も立ち上がる。
ウル「ぐりにゃんはぁはぁ」
ノイ「兎だから余計怖い」
ハリ「それより、何故来ない…まさか、途中で生き耐えて…っ?!」
「「「かまんっグリムジョォオオ!!」」」
グリ「えっ」ビクッ
「「「……っ!!!」」」
ジャストタイミングで登場した猫。美しい浅葱色の毛、宝石の様なブルーの瞳。
「「「萌ぇえええ!!!!」」」ブッシャァア
グリ「ひぃぃぃ?!」
一部の卑猥な出血に怯えるグリムジョー。そこへやってきたバラガンは優しい手付きで抱き上げると自分の席につく。
グリ「バラガン…!」
ウル「老いぼれ貴様ッ」
バラ「その小さな身体ではここへ登るのが大変じゃろう」
グリ「さんきゅー!」
バラ「…綺麗な毛並じゃな」
藍「キィィィ!ぐりにゃん!パパの所へ来なさい!」
グリ「触んな」ガリッ
藍「ああああ顔がぁあああ…」
ギンは引っ掻かれた顔を抑え踞る藍染の上へ登るとグリムジョーを見つめる。
市「可愛ぇな〜嬢ちゃん」
グリ「…狐…市丸か?」
市「…そ、そこで解釈…複雑や」
ノイ「ほらな」
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