脱色N

□ぐるみ権
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「形を変えてくれぇ?!」

「おう!あの石田とかいう奴に頼んでくれ!」
「なんだよいきなり…気に入ってたんじゃねーのかよ?」
「ばっきゃろ!そりゃこの俺様のばでぃはPerfectでCuteできゃーコン様ぁって感じだけど、ちょっとイメチェン?してぇのさ!」


目の前にいる阿呆面一護は話の呑み込みが悪くてしゃーない!


「…どんな風にしてぇの?」
「あ?そりゃお前…出来てからのお楽しみだろうよ!?」
「…仕方ねぇな…ちょっと待て、今石田に電話すっから!」
「よろしくぅ!!」


斯くして俺様、コンは美しく姿を変えることになったのだ!(あ、元から美しいけど)


「いきなり呼び出すなんて…非常識極まりないぞ!」
「だから悪いって電話でも言ったろ」
「まったく…」
「よう眼鏡!早速取りかかってくれ!」
「…は、腹立つな」
「一護ぅ!てめーは向こうに行っててくれ!」
「はぁ?面倒くせーなお前…」


一護はいなくなった!新しいコン様への第一歩だぜ!!



……



「黒崎、終わったから僕は帰るよ」
「お、サンキュー石田!どうだ、飯でも食ってくか?」
「い、いいよそんなの…」
「そうか!じゃあな石田!」
「アッサリ引くね、君…じゃあな」


「…コンー」
「……」
「コン…?入るぞ」
「……はっ!」

やべーやべー!
思わず自分に見とれちまってた!!


「おう一護!」
「一体どんな…ってぅぇえええ?!!」
「どうだー?イカすだろ〜」
「…お、おま、」

「なんでグリムジョーの格好してんだ!!!」


そう!今の俺様は、あの世界規模色男、グリムジョー・ジャガージャックお兄様のコスプレをしているのだ!!

…何故かって…?

次会う時少しでも会話を広げるためだ!


「馬鹿か!何考えてやがる!!」
「るせー!どんな格好しようと俺様の勝手だろーがッ。ぬいぐるみにも自由権があんだ!」
「だからってグリムジョーの格好しなくてもいいだろ!今すぐ脱げ!!」
「嫌だね!お兄様ともっと仲良くなりたいんだよハゲ一護!てめーこそ脱げ!」
「ハゲてねーわ!お前が脱げ!」
「てめーが脱げ!!」
「脱げ!」
「脱げ!!」

「「脱げーー!!」」


「っせーなお前らは」


…こ、このBeautifulヴォイスは…ッ!

「お兄様ぁ〜!!」バッ
「グリムジョー!?」
「…よう」ベチン
「ぶべらっ」

…ああ…このアタックがたまらねぇ…


「暇だから来てやった」
「お、おぉそうか!」

…一護の野郎…柄にもなく照れてやがる。
かぁーっ!腹立つぜ!!


「…んあ?」

はっ!お、お兄様が俺様を…!

「…お前の格好」
「そーです!!お兄様のコスプレっす!!」
「…すげぇな。よく出来てる…」
「うへへ〜」

お兄様が俺様を掴んで服を捲ってくる…ああ…なんだろこの気分…ドキドキする…


「なんで俺なんだよ」
「決まってるじゃないすか!お兄様のことを愛してるからです!!」
「いい加減にしろよコン!?言っただろ、グリムジョーは俺の…」
「ああああ聞こえませーん何も聞こえませーん」
「てンめぇえ〜ッッ」
「俺様にだってお兄様を愛する権利がある!つか、一護が俺様よりお兄様を愛してっつー確証でもあんのかよ!」
「はぁあ?!」
「お兄様!俺様と一護、どっちが好きですか?!」

お兄様はふいっと横を向くと言った。

「…別に…どっちも変わらねぇよ」
「「ガーン!!!!」」

しまったぁぁお兄様のツンデレ要素忘れてたぁぁぁ

「まぁでも…俺の真似とは…可愛いとこあんじゃねーか…」
「なっ、なっ?!」
「お兄様ぁあ〜!!」

っしゃぁあ!!
一護に勝った!恋人の一護に勝った!!!


「ひ…ひでぇぞグリムジョー…!俺はこんなに…っ」
「う、うぜぇな!泣くんじゃねー!」
「これを泣かずにいられるか…ッ俺がどんなにお前のことを大切に思っていたか…!」
「……っ」

ったく情けねーな一護は!男のくせに泣きやがってー。

「敗けを認めろ、一護!」
「…ぐすっ」
「……」グイッ
「!!」


…え。

「グ、リムジョー…?」
「……」

え、ちょ、え?
お兄様、なんで、一護を……

「ぬいぐるみ相手じゃ抱き合えねぇ」
「…!」
「キスもできねぇ。夜もヤれねぇ」

だ、抱き締めてんすかぁあああ

「そうだろ黒崎」
「…グリムジョぉぉー!!!」

「お兄様ァア俺もぎゅって「るせー」ぶっ」


そんな…何故ですかお兄様…
さっきは…俺様の方が…


「グリムジョー!好きだ!!」
「…ああ」


…くそ…っ
くそー!!こうなったらぁ!!


「一護ォオオオ」ドドドドド
「うわっ?!」
「ヌキ姫☆とうっ」ビタンッ

ぽろっ…ごくん…

「……」
「……黒崎?」
「…お兄様ァアア〜!!」
「ぎゃぁああ??!!」
「はぁはぁいい匂い…」

お兄様とハグ!昇天しちまう!!

「コンんんんん」
「黒崎が二人ィ?!」
「今すぐグリムジョーから離れねーと綿の塊にするぞコンコルァア!!!!」
「いだだだだだ!!!ちょ、一護タンマ、ちょ、これお前の体!いだだだだ」




【 ぐるみ権 】


「コンは改造魂魄なんだよ!」
「…お前、便利だな…」ニヤッ
「てへっ」
「ちょちょちょ、例え義骸でもお前にコンは入れさせねー!」


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最早何をしたかったのか分からない

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