脱色N
□そりゃないよハニー
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一体どういうことだ。説明してくれ。
…どういう状況かを先に説明しろって?
今目の前で愛しのグリムジョーが服を脱ごうとしている!
まずこいつは極度のツンデレだから自分から服を脱がない。
しかも、わざとらしくゆっくりと厭らしくだ!AV女優も真っ青だな。
袴を膝上という焦れったい位置で下ろしきる。だがグリムジョーはベッドに座っている為に俺からは裸体が見えない。
「ど、どういうつもりだ…」
何とか言葉を紡ぎ出すと奴は上目遣いで俺を見つめてきた。
…た、耐えるんだ。訳を聞くまではクールビューティなウルキオラを保つんだ!
「何がだ」
「何故その様な格好をしているのか、と聞いている。いいから袴をはけ」
「…よく言うぜ…いつも盛って脱がすのはテメェのくせに…」
しょうがないだろ貴様が脱がないからだ。
とは口が裂けても言えない。
「……っ」
「?!」
途端、グリムジョーの顔が歪んだ。
(…ま、まさか、)
「…んっ」
こいつ…!
(自慰行為?!)
グリムジョーの手は確かに下部に添えられている。腕を上下させていく内に頬が赤くなる。
「お、おい」
「くっ…ぁ、あ、」
グリムジョーの低めの吐息に甘さが加わっていく。それは情事の最中を彷彿させる。ここ最近忙しく交わることのなかった俺自身が熱をもっていく。
「グリムジョー…!」
「来ん、な…」
「え」
「お、俺は…今一人で楽しん…ぁ…でるからな…ぁ?」
新手の虐めか。
艶めく恋人を目の前にしてここで指をくわえて待っていろと?
「はぁっあっ…」
見たい、せめて見せてくれ…
「んっ」クチュ…
…いや、重要な部分が見えず卑猥な音と色っぽい表情しか分からないこのあやふや感もいいかもしれん。
「くぁ…っ!はぁあっ!」
「ーーーっ!」
ビクン、と身体をしならせるとグリムジョーの頭がカクンと落ちた。
「はぁ…はぁ…」
「……っ」
「…見ろよウルキオラァ?」
「?」
「こんなに、出たぜ…くくっ」
グリムジョーは掠れた声で笑うと掌に伝う精子を紅い舌で舐めとった。
「……」
理性が切れた。
「ウルキ、オラ?」
「我慢できん。貴様をもっと啼かせてやる…!」
「おい!」
唖然とするグリムジョーを勢いよく押し倒すと袴を完全に脱がす。そこには今だ熱を持った奴自身があった。まみれる白濁。
「ぁあっ?!」
俺はそれを指に絡めて早速蜜壺に入れる。二本など容易に食いつく。
「ま、て…はぁあん!!」
「貴様が悪い」
「んぁっあっ!!」
俺の前で自慰行為をするのにやはり羞恥はあったようで、突く度に奴は感度を増していく。ジュプジュプと卑猥な水音に顔を染めるグリムジョー。
「ウル…キオラァ」
「…?」
「も、いい…。ぁっはやく、こいよ…ぉ」
…デレた。可愛すぎる。
俺は奴の綺麗な瞳から零れる涙を親指で擦ると袴を下ろす。我慢から開放され活きり立つ自身を宛てがい、腰を進めた。
「はぁあん!」
高い声が俺の鼓膜を揺する。
「ぁっあぁっ!んぁあ!」
「くっ…」
乱れるこいつに勝る美しさなどこの世に存在しない。
半開きの口に唇を押し付け舌を入れると応える様に絡む舌。この瞬間が愛しくてたまらない。
「うる、きおらぁ」
「好きだ、グリムジョー」
「ぃやっあっ!んぁあ!!」
最奥を突き続け絶頂が迫る。
「ぅ、」
引き抜こうと腰を引くが、奴の眉がハの字に下がった。
「この、まま…んっ…こいよ!」
「くぁ…っ!」
「んぁああっ!」
ドクンと波打つと、白い欲が注ぎ込まれる。グリムジョーは弓なりに身体を張ると二人一緒にベッドに倒れ込んだ。
「…はぁ、はぁ…」
「説明しろ…グリムジョー…」
「…ん、」
呼吸を整えるとグリムジョーはそっぽを向く。
「…別に」
「……」
「…さ、最近ヤってなかったから…からかっただけだよ…」
「…寂しかった、のか?」
「ちげーよ!自惚れんな!」
真っ赤な顔で怒鳴るグリムジョー。額にかかる浅葱色の髪をかきあげキスを落とすと目が細められた。
「…すまない」
「…るせーよ馬鹿。もう、知らね」
「愛してる。俺だって貴様に触れたかったんだ…許せ」
「……」
顔を歪め抱き着いてくるグリムジョー。可愛くて可愛くて仕方ない恋人。
俺の出せる全ての力で抱き締め返そうとしたら殴られた。何故だ。
「今日は」
「何もない」
「じゃあこのまま。このままで居ろ」
「あぁ。明日も、明後日も…」
「それは無理」
「…え?」
「俺明日から長期任務」
「え」
「夜中出るから明日の早朝にはもういねぇよ」
「え」
「っつー訳だから。おやすみー」
「ま、待てグリム…」
「…くー…」
やはりこれは新手の虐めだ。
「…くそ…ッ」
【 そりゃないよハニー 】
とりあえず明日からは
奴の自慰行為を思い出して
右手とお友達になるしかない。
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