脱色N

□九刃の反乱‐In.焼肉屋‐
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グリ「喉渇いた」
藍「要、グリムジョーに紅茶のおかわりを」
東「は、はい」

グリ「疲れがとれねぇな…」
藍「ノイトラ、今日から一週間グリムジョーの任務を代わりにやってあげなさい」
ノイ「俺かよ!?」

グリ「うぉ!すげーな今日の晩飯!!」
シャウ「藍染様から頂いた肉です」

ウル「市丸様。大浴場を使用したいという要望がいくつか寄せられておりますが…」
市「藍染隊長が嬢ちゃん使い終わるまで見張っとけ言うんよー」

藍「おかえりグリムジョー」

藍「くれぐれも怪我しないようにね」

藍「君は本当に可愛いねグリムジョー」



「「「なんなんだ!!!」」」バンッ

藍「えっ」
グリ「っ?」ビクッ

十刃一同はテーブルを叩いて立ち上がる。無論粉々になってしまった。

ノイ「グリムジョー、グリムジョー、グリムジョー!毎日毎日!!」
ザエ「あまりに贔屓しすぎでは?」

メラメラと瞳を燃やす仲間にグリムジョーは口角を下げる。

グリ「わ、悪ぃ…」
ハリ「お前は悪くない」
ウル「そうだ。寧ろ当然の扱いだ」
アロ「藍染様ガ悪インダー!」

藍「ええー…」

九人は藍染を睨み付ける。人間だったら恐らく失禁しているだろう。

市「ちょっと…皆カンカンやないですか」
藍「だってグリムジョー可愛いから…」

ヤミ「俺らは可愛くねーのかよ?!」
藍「うん」

ゾマ「なん…だと…!?」クワッ!
スタ「顔顔」
ウル「ヤミーは別としても…!俺達のことを何にも…?!」
ヤミ「おい」

藍染は嫌がるグリムジョーを強引に(ここ重要)膝の上へと移動させるとわしゃわしゃと頭を撫でた。

藍「グリムジョーは私の一人息子だ!」キラッ

「「「ーーーーっ!!!」」」

グリ「いや、違う。断じて違う」


グリムジョーのツッコミも虚しく、シーンと静まり返る室内。えっへんと胸を張る阿呆面の上司を見てギンと東仙は「やりやがったアイツ」と頭を抱えた。


ウル「…そうですか。一人、息子ですか」
藍「うん!ねーっグリムジョー」
グリ「ちげーつってんだろチョロ毛ぶっ飛ばすぞ」
藍「またそーやって乱暴な言葉を…グリムジョー、めっ」
グリ「流石にこれは殺っても許されるよね」

バラ「…ふむ…わかった」
藍「…?」

ガタガタと一同は立ち上がる。

スタ「藍染様、お世話になりました」
藍「え」
スタ「俺達九刃は、」

「「「家出します」」」

藍「ちょ、ちょ、え?!」
市「なに言うとるん皆、らしくないで?」
ウル「愛想がつきました。あの人のキモさにはこれ以上我慢できません」
ヤミ「ウルキオラに言われてるぞ」
ノイ「しっ!」


痛々しい空気にグリムジョーは藍染の膝から飛び降りると、九人に駆け寄った。

グリ「お前らふざけすぎだろ!」
ウル「グリムジョー、お前を一人にするのは心苦しいが…許してほしい」
ハリ「肉や魚ばかりじゃなく野菜も食べるんだぞ」
ザエ「小学生か」
ノイ「ザエルアポロの宮には近付くんじゃねーぞ」
ザエ「おい」

順番にグリムジョーの頭を撫でていく。その本気な雰囲気にグリムジョーは青筋を立てた。

グリ「冗談がすぎるぞてめぇら…!」
スタ「またな」
グリ「!!」

次の瞬間、九人の姿が消えてしまった。


グリ「……」
市「あちゃー。やってもうた」
グリ「…なんなのちょっとォォ!!??え、これマジな話なの?ギャグでしょ?!」
東「…藍染様!少々言いすぎですよ!」
藍「だってぇ〜最近皆生意気なんだもん」
市「おちょぼ口キショいわ」
藍「ギン!この私に向かってキショいとはなんだいっ」
市「イーっだ!」
藍「こらっ!」

グリ「あいつらからかってるだけだよな?」
東「…そうだと願いたいが」
グリ「…まぁいいや。折角なんだからこの状況を楽しもう」
東「ポジティブだな」


グリムジョーはふと隣の、ザエルアポロのティーカップを覗き込む。紅茶が揺れていた。小さく舌打ちすると自分の紅茶を飲み干した。


藍「さて、邪魔者もいなくなったし!四人で現世食事でも行くかい?」
市「浮かれすぎやろ!」
グリ「行く!」
市「ちょ、嬢ちゃん…」
グリ「行こうぜ市丸!」
市「予約いれてくる!」
東「もう少し粘れ、市丸」
藍「何がいい?」
グリ「焼肉!」

市「あ、もしもし。今日の6時に四名予約いれたいんやけど」
藍「要、義骸の準備宜しくね」
東「…は、はい」
グリ「楽しみだぜー♪」
東(いいのか、これで?!)


…これから起こる悲劇も知らず…
藍染一同は現世へと降り立った…。



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