Dream2

□俺ルール
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3.


例えば登下校中、
例えば昇降口、
例えば移動教室の時、
例えば昼休み、

その日、どんなにイライラしてても、落ち込んでても

その輝く金色を見つけると

私はどんな想いも吹っ飛んで
幸せな気持ちになれる。


それがちらっと一瞬だったとしても、先輩のニヤリとした笑みと笑い声を思い出して、私も笑う。


でも、一枚も二枚も上手な先輩は
必ず私に気付いて何か仕出かす。

毎日、必ず、一度は。

振り回されるその日々が凄く楽しい。



ある日ふと
「留年しないんですか」
って言ったら

名無しお前ェブッ飛ばされてェのかよ、から始まり学校という柵について語りだした。

汚い罵倒の言葉をつらつら並べて文句をたらす一方で
それでも先輩は凄く嬉しそうに笑って
ぐちゃぐちゃと私の頭を撫でて

『卒業しようがどうしようが、お前と出会った事実は消えねェ。ずっと後輩だ』


まだ卒業シーズンでもないのに
私はちょっぴり泣きそうになった。



問題児が卒業すると清々する、とかいうけどあれは建前


「おいおい、まだ春だぜ」
「ぐすっ…!」



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