Dream2

□俺ルール
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2.


あー…授業つまんないなー
やる気でないー

なんか面白いことを、と思ってグラウンドに視線を移す。
こういう時席が窓側でよかったなとつくづく思う。

「…ぁ」

3年生が野球やってる!

キョロキョロと人を追っていくと、いた。キラキラの金髪。大好きなドフラ先輩。
そしてその隣にはだるそうなクロコダイル先輩と眠そうなミホーク先輩。…ジャージ似合わなっ

珍しく授業に出てるなーって思ったけど多分出席数足りないんだろうな。
後輩の私としては留年Welcome!だが先輩達からすればたまったもんじゃないだろう。

つまんなそうにヤンキー座りする三人はガラが悪いとかそんなレベルじゃなく、最早高校生であることを疑う。
(かっこいいけど!)


打順が回ってきたのか叩かれたミホーク先輩が目を擦りながらボックスに立った。可愛いな。てかそんなんで振れるのか?!

ビュンっと玉が走る。
ハラハラする私を裏目にミホーク先輩はさっきまでトロンとしていた目をカッと開き、目に見えぬ速さでバットを振った。

(…は、速い…!)

だがしかし打ったことで集中力が切れたのか、そのまま倒れて眠ってしまった。

(…らしいけど!ミホーク先輩らしいけど!)

次の打席のクロコダイル先輩に蹴られ、ミホーク先輩はフラフラと歩いていった。


クロコダイル先輩は明らかにやる気がない割りに、明らかにピッチャーを脅している。ここからじゃ先輩の表情は完璧見えないが、ピッチャーの動揺具合がハンパない。
あの人は…うん、怖い。

案の定ピッチャーの放った玉はヒョロ玉で、クロコダイル先輩に簡単に打たれた。おまけにその豪速球はピッチャーの顔面に直撃。

血だらけで保健室へ運ばれるクラスメートを見て、先輩は校舎越しの私にまで聞こえてきそうなほど高笑いしていた。

…お、恐ろしすぎる!


(…あ!!)

ついにきた!ドフラ先輩だ!
金属バットを持った先輩はなんかもう似合いすぎるってか怖すぎるってかヤンキーすぎるってか。
太陽に反射してギラリと光るサングラス。ああかっこいい。

ボックスに立つと、バットを掲げた。周りがざわつく。

(ホームラン宣言!)

そんな行動をとるのは似合わないけど、派手好きなドフラ先輩にはお似合いのそのポーズと宣言。
私はぎゅっと掌を握った。


ゆらりとした力の入らないフォームの先輩へ、白球が走る。

ドフラ先輩は私を見てニヤリと口角を上げた

…ん?

…私を…見て?

(え?!)

間抜けにも私が目をシパシパさせている内にカキーンと一発。玉はダイヤモンドを通り越して空高く鳥のごとく飛んでいた。

(…ホームラン!)


グラウンドの外へ落ちていく玉を見届けると、二階の私を見上げて不敵に笑った。


「かっっっっこいーー!!!////」



グラウンドで知り合いを見つけると芸能人かのように注目する


思いっきり先生に殴られ廊下に立ってろと怒鳴られた(古いな)ので、私はグラウンドへ走った。



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