Dream3

□悔しい
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「名無しは俺の部屋で大人しくしてろ」
「なんで?」
「なんででも」
「私だって戦えるよ?!」
「知ってる」

ローは頑なに私を戦場へ立たすことを拒む。
納得出来ない。
今まで自分の身は自分で守れてきた。
つまりはそれくらいの実力はある。
だからこそローだって安心して私を乗せてくれた訳で。

なのに隠れてろって言う。

悔しい!
私は強いのに!!


「ねぇー…」
「…」
「…ロー!」

そんなこんなしてる内にクルーと敵が刃を交わせる音が船内に響き渡り始めた。
ローは外から聞こえる音に耳を傾けるばかりで私の話をちっとも聞かない。

悔しーい!!!


「馬鹿にしないで、そんな簡単にやられないもん」
「いいから、早くしろ…」
「もー!心配してるなら外ばっか気にしないでせめてこっち見てよね!!」
「…なにむくれてんだ」
「悔しいの!」
「はぁ?」
「私も終いには怒るよ!」
「俺だって怒るぞ」
「な!ん!で!ローが怒んの!!」

ムキーと歯を剥き出して怒ると
ローはふっと振り向き、


「名無しに怪我してほしくねぇからに決まってんだろ」


だって。

あー悔しい、


「お前は黙って守られてろ…」


かっこよすぎる、悔しいくらい



悔しい


「うーあーうー!ベポー!!」
「どーしたの、顔真っ赤だよ?」
「怒りと照れ!!うがー!」


.

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