記念小説
□スイートスキャンダル!
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「兄らはここで何を・・・」
「うん、のぞき」
「部下の幸せになる瞬間を祝福しに来たんじゃないか」
「あ、ほら言うわよ。静かに!」
流石の白哉や恋次でも、これだけの隊長格に押さえられていてはすぐに振り解く事も出来ない。
「一護・・責任って・・?」
皆が次の一護の言葉を待ってごくりと唾を飲み込んだ。
「大黒屋の白玉メニュー、好きなだけ食わせてやる・・・!」
「はあ!?」
一同が異口同音に言葉を揃えた。
あれ?プロポーズじゃないの?ていうか白玉って・・・。
責任の取り方で、何故白玉!?何故食べ物!?
しかし、当のルキアはみるみる顔を輝かせた。
「ほ、本当か!?一護!」
「ああ、嘘なんかつかねえよ。好きなだけ食べていいからな」
嬉しそうなルキアに、納得のいかない乱菊が尋ねた。
「ちょっと、朽木いいの!?そんなんで!」
「それは・・もう代えようがないですけど、それでも一護の誠意ですし・・私はもうそれで満足です。初体験だったけど・・・諦めます」
瞳を揺らし、ルキアは辛そうに眉根を寄せた。
「諦めます・・・期間限定品の月見うさぎ中華まん・・・」
「悪かったって・・・。勝手に食っちまって・・・」
「そうだ、しかも期間限定で人気商品だったからあれが漸く手に入れた最後の1個だったのだぞ!?ちょっとお茶を淹れに行った隙に盗み食いして、最後の一口を口に入れるのを見た時はもう、怒りを通り越して悲しくなってしまったのだからな!」
「ホントすんませんでした・・・」
「中に餡子と白玉が入ったうさぎの形をした中華まん・・。ああ、美味かったのだろうなぁ」
「ああ、生地が柔らかくて、中の餡子も程良く甘くて白玉の味を際立たせていて美味かった。ちょっと悪戯で一口かじったら止まらなくなっちまったんだよ・・・って、うわ泣くなルキア!ホント悪かったって!いくらでも大黒屋で白玉食わせてやるから!」
「絶対約束だからな!」
「おう!何だったら今から食いに行くか!?」
「食べる!よし、行くぞ一護!」
そうして二人は仲良く現世に帰って行った―――
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