記念小説
□スイートスキャンダル!
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ルキアを追い掛けて一護はソウル・ソサエティに到着した。
どこに居るかは分からないが、ルキアの行く所など朽木家か十三番隊舎か恋次の所だろう。
出来れば十三番隊舎辺りに居てくれると助かるのだが・・。
なるべく白哉と恋次には会いたくない。
ともかくルキアに謝りたいのだが、この二人に事情を知られると厄介な事になりそうだ。
まあそうなったらそうで、しょうがない。
ルキアを傷付けた事に変わりはないのだし、責任はちゃんと取るつもりでここにやって来たのだから・・・。
どこからまず向かおうか、歩きながら一護が考えていると、賑やかな声に呼び止められた。
「やだ、一護じゃない!」
「乱菊さん」
松本乱菊は面白いものを見付けたように楽しげに近づいて来た。
「ちょっと〜聞いたわよ、朽木の事!」
人の醜聞は蜜の味。
興味津々な乱菊の様子に、一護は今回の事がもうバレたのかと内心冷や汗をかきながら、色々と聞かれるのも面倒なので知らない振りをした。
「何の事デスカ?」
「あん、もうそんなしらばっくれてもダメよ〜。こっちはちゃ〜んと聞いてるんですからねえ」
ああ、そうですか・・・。
思った以上の筒抜け振りに一護はがっくりと肩を落とした。
「・・・乱菊さん、ルキアが今どこに居るのか知りませんか?」
「えっ、そりゃあ知ってるけど・・・。あんた朽木の所に行くつもりなの?」
「ええまあ」
まあそりゃそうか、でもねえ・・と乱菊は腕を組んでブツブツと呟きながら考えていたが、一人納得したように頷いた。
「・・・うん、そうよね、あんただってケジメは付けたいわよね!」
ケジメ・・か。確かに付けないといけないな。
一護は乱菊の言葉に、「はい」と返事した。
「朽木は今、六番隊の隊舎にいるわよ。一護―――頑張ってね!」
力いっぱい背中を叩かれ、乱菊は一護を送り出した。
頑張る・・そうだ、自分にはもうそれしかない。
乱菊の励ましは、思った以上に一護を奮い立たせた。
ルキアに会おう。
そしてちゃんと言うんだ・・・!
「うふふふ・・。これは面白くなりそうね、皆に教えてあげなくちゃ!」
一護の決意する背中を見送りながら乱菊は楽しげに呟いた。
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