記念小説

□寅・トラ・ネコ!
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猫虎ルキアは全神経を猫じゃらしだけに向けている、その姿――!



か、かわいい!なんだこのかわいさは!!



そんな臨戦態勢の姿に一護は激しく心を鷲掴みにされた。

たまらず猫じゃらしをルキアに投げつけてやると、狂喜乱舞したルキアが猫じゃらしを捕まえたり、離したり、噛んで引っ張ったりして猫じゃらしにじゃれついて遊ぶ姿に、一護は心の中の見えない机をバンバン叩いた。



(かわいい、かわいいよ!)



しばらくそうして遊んで満足したルキアは、はたと我に返った。


「わ、私は今何をしていた・・!?」


「猫じゃらしにじゃれついてたな。いいんじゃねえ?虎猫だけに」


自分のしていた事に驚愕しているルキアに、一護は自分の心の中の声を気付かれないように平静さを装って答えた。


「よかったらまだボールとかぬいぐるみが残ってるぜ?」


さり気なく取り出そうとした一護を、ルキアが慌てて止めた。


「いい!出さなくてよい!そ、それより一護、喉が渇いた」


内心がっかりだが、しょうがない。

俺はホットミルクを用意してやった。
虎猫が好きそうだろう?


実際ルキアはホットミルクに目を輝かせた。


「熱っ!!」


温めに淹れて来たつもりだったが、それでもルキアには熱かったようだ。

元々猫舌のルキアだが、いつも以上に猫舌になっているのか・・。


ルキアは肉球の付いた手でマグカップを挟んでふうふうと息を吹きかけて必死に冷まそうとしている。

早く飲みたくて尻尾がパタンパタンと揺れていた。


その姿がもう―――



(だからかわいいから、かわい過ぎるから!)



見えない心の中の机が壊れそうなくらい一護はバンバン叩いた。


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