記念小説

□寅・トラ・ネコ!
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「・・・実はこの耳も取れないのだ」


「そんな訳ないだろ」


一護は虎耳を引っ張ってみた。

確かにどう付いているのか、虎耳は取れなかった。


しかも・・・


「いたたたた・・!一護無理に引っ張らないでくれ、痛い!」


「あ、悪い」


虎耳から手を離すと、痛みを誤魔化すように虎耳がパタパタと動いた。



・・・へ?動いた!?



「ルルルルルキア!?」


まるでキタキツネの呼び声のよう声を上げ動揺する俺に、ルキアは小さな溜息をついた。



「・・・耳だけではないのだ」


そう言うと、しなやかな尻尾がヒュンヒュンとうねった。


「どうやら私と同化したらしく、神経が繋がっているようなのだ」



今度こそ俺は開いた口を閉じる事が出来なくなった。




“そう言えば着ぐるみが入っていた袋の中にまだなにかあったような気がする。”


そう言ってルキアは押入れから袋を引っ張ってきた。



「・・・よくその状況でのん気に寝てられたな」


俺は驚きを通り越して呆れていた。

そんな事が自分の身に起きて眠れるか、普通?



「しょうがなかろう。何だか酷く眠かったのだから。・・・あ、あった。使用説明書と小袋が入ってた。
なになに・・“『なりきり着ぐるみゃあ(虎)』この着ぐるみは着るとたちまちその動物になり切る事が出来る特殊技法を使った画期的アイテムです。これを着るとネコ科の性質を味わう事が出来ます。他にも小悪魔な『黒猫』、妖艶な『豹』と発売を予定しております。刺激的な時間をお約束致します。

*尚、本品におきましては試作段階の為、中身は虎よりも猫に近い性質になっております。ご了承下さい。

作品構想案・松本乱菊  開発・技術開発局”」


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