記念小説
□天然無自覚少年少女
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『黒崎一護は朽木ルキアと付き合っているのか?』
「付き合ってねーよ」
そう質問されると黒崎一護は必ずこう答える。
「ふーん、そうなんだ〜」
「そうだよ。水色、知ってんだろ?」
あっけらかんと答える一護がひと昔、「うわさ」を嫌がって朽木さんを避けていた時が今は懐かしい。
色々な事があって、今、一護もチャドも井上さんも石田君も僕も啓吾も・・空座町のクラスの皆もここにいる。
そして、朽木さんも―――
朽木さんが再び戻って来て、ここで生活を始めたのは“任務”らしいけど。
僕の知っている朽木さんは儚くて、可憐なお嬢様喋りの美少女転入生だった。
今も見た目は美少女に変わりないけれど、以前の朽木さんが実は猫っかぶりだった事には驚いた。
随分と大きな猫を飼っていたなぁと思う。
今の朽木さんはとても自然で、あの時、どうしてか極たまに垣間見えた“距離感”はもう感じる事はない。
それは、一護も同じだ。
今はとても自然に朽木さんと接している。
とても自然に・・・
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