小説

□パラレル★トラベル
〜マサ×ユキ デート編〜
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「いいかユキムラ、ここはBASARAとは違うんだからな? 間違っても無闇に力を使うなよ。」

「心得て御座いまする。…というより、某はマサムネ殿の方が心配に御座る…」



幸村と別れた二人は、人目につかぬ茂みにてコソコソと何やら話していた。



「Ah〜さっきの事か?あれなら本気じゃねえぜ。だいたい餓鬼相手に俺がムキになると思うか?」

「………」

「何だよ‥その疑いの目は…」

「いえ、別に…」



冗談めいた会話のはずなのだが、ユキムラは顔にフッと影を落とす。

そしてそんな小さな変化を、マサムネも感じ取っていた。



「伊達殿が仰有った事は何一つ間違ってはおりませぬ。」

「ユキムラ…」

「幸村殿に会いたいという某の我が儘が、皆を傷付けてしまうのですね‥」



今にも消えてしまいそうな声でユキムラはそう呟いた。



「この世界に来たのは‥幸村との再会は間違いだったと?」

「そう‥そうでは御座いませぬ。ただ…」



言葉を続けられず、俯くユキムラの頭をマサムネは優しく撫でた。



「Sorry‥ そんな顔、させたかったワケじゃねえんだ。」

「マサムネ殿‥」

「アイツを見てると、どうも自分と重ねちまってな。すぐカッとなっちまうんだ。」



すまない‥ そう告げるマサムネに、ユキムラはブンブンと頭を振った。



「マサムネ殿に、その様に謝られては困ってしまいまする。」

「What?」

「その‥ 天気が崩れてしまいそうで。」



クスクスとユキムラは笑っていた。



「Oh、言うじゃねえか。このッ!」



お返しとばかりに、マサムネはユキムラの頭をガシガシ掻き乱した。

そうして目を合わせればどちらともなく笑みを零す。



「さて、時間もある事だゆっくりこの世界を見て回ろうぜ。」

「はい!」



差し出された手を離さぬよう、ユキムラはギュッと握り締めた。

 
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