小説

□パラレル★トラベル
〜BASARA世界番外編〜
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「五回目だ…」


「え?‥」



マサムネの言葉の意味が分からず、ユキムラは首を傾げる。


「マサムネ殿、何が五回なので御座るか? 。」



「分からねえか? 二人が帰ってから、アンタがした溜め息の数だ。」


「!」


マサムネの言葉に、ユキムラはハッとする。



「某、そんなにしていたで御座るか…」


情けないような、恥ずかしいような、そんな気持ちにユキムラは俯いてしまう。


「まぁ、気にするな……と、言いたい所だが…」

ズイッとマサムネはユキムラに詰め寄った。


「あの…マサムネ殿?」


突然の事に、ユキムラが疑問の表情を浮かべればマサムネにグッと顎を掴まれた。


「…妬ける。」


「は?」


「アンタに…そんな顔させる幸村に。」



マサムネは更に近づき、もう互いの鼻先が付くほどだ。


「マ、マサムネ殿、某は幸村殿の事はっ…」


わたわたと慌てるユキムラを、マサムネはクスッと笑った。


「分かってる。LOVEじゃなくてLIKEだろ?」


マサムネの言葉に、ユキムラはコクンと頷いた。


「けど、今度は俺の事で頭ん中いっぱいにしてくれよ。」


耳元で囁き、マサムネはペロッと舐めた。



「ひゃッ!! マ、マサムネ殿!?」


ねっとりとした舌の感覚に、ユキムラは素っ頓狂な声をあげた。



「アイツの為に泣くのはもう十分だろう? 今度は俺の為に鳴いてくれよ。」


ニィとマサムネが妖しく笑えば、ユキムラはみるみる顔を赤くさせた。


「そ、それは…その…」


「抱きたい。そう言ったんだが?」


「なあああぁッ!!」

ボンっ! と音が鳴るほど頭が煮え立ったユキムラは、その場にペタンと座り込んでしまった。


「マサムネ殿ッ! は、破廉恥で… んッんんッ!?」


ぎゃあぎゃあと騒ぐユキムラの口を、マサムネは自分のそれで塞いだ。



「ふっ、や‥あ、マサムネ…殿‥」


「いや? でも俺はこれ以上は待てねぇ。 アンタの体力も十分回復しただろう?」


頬に、首筋に、ちゅっと口付けしながらマサムネは言う。


「それは…そうで御座るが… んんッ。」


くすぐったいのか、ユキムラは首を振る。

そんな愛らしい姿に、マサムネは下肢に熱が集まるのを感じた。


「But、その体力もすぐ尽きちまうがな…」
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