企画小説
□僕らの青春
(政×幸)
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「政宗殿、某は… 政宗殿の事が… 『好き』なので御座る。」
「…」
「気持ち悪いと思われるで御座ろうが、どうしようもない程に、政宗殿を… 好きなので御座る!」
言った。
言ってしまった。
けれど不思議と、後悔はない。
「…遅ぇんだよ。」
「え?」
「何年待ったと思ってやがる。」
政宗…殿?
体が、震えて…?
「3年の片想い…我ながら、よく我慢したモンだと誉めてやりたいね。」
「片…想い… 政宗殿の?」
ぎゅうぅ…
「まさ…////」
「鈍いんだよ。俺の気持ちにも、アンタ自身の気持ちにもな。」
鼓動が近い。
政宗殿の腕が、俺を抱き締めて…
「こうしてる意味、分かってるのか?」
「政宗殿…」
「俺も好きだ。幸村と同じ…いや、それ以上に。」
好き?
政宗殿が…俺を?
「そんなに信じられないって顔するなよ。逆に傷付くだろうが。」
「だって、政宗殿が…」
「すぐ信じるさ。」
「ん…」
優しい光を灯す蒼が近付く。
そこに映る自分の姿がだんだん大きくなって、ぼやけて…
そしたら唇に、柔らかい感触。
「今のは…キ…」
「次は優しく、出来そうもねぇ…」
「ふ…んぅ…」
触れるだけとは違う、政宗殿の噛み付くような口付け。
頭の奥が痺れて来て、ぎゅっと政宗殿にしがみつくのが精一杯だ。
「口…開けな。」
「ん…」
言われるまま隙間を作れば、熱い塊が口内に忍び込む。
歯列をなぞり、舌を絡めて、全てを貪るように。
チュ…クチュリ…
目を薄く開けば、政宗殿が見える。
いつもより頬を紅く染め、余裕のないその姿に、ひどく喜びを感じてしまう。
「嫌か?幸村。」
「嫌では御座らぬ。ただ政宗殿が、可愛らしく見えて…」
「かわッ…!?」
「?」
ますます紅くなってしまった政宗殿。
俺は、何か変な事を言ってしまっただろうか?
「たく、俺を可愛いなんて言えるのはアンタだけだ。」
スルスルスル〜
「まさッ…!? 手…手が…」
「けど俺からしたら、アンタの方が何百倍も可愛いぜ。」
「ん…あぁッ…」
体操着に忍び込んだ手が、ゆっくりと腹筋をなぞる。それがこそばゆくて仕方ないのに、どこか背筋もゾクゾクして…
「もっと触れたい、もっと感じたい、いいか?」
「…はい。」
艶っぽく、熱を帯びた政宗殿の声。
触れたいと思っていたのは俺も同じ事。
だから広い背に手を回し、ぎゅっと引き寄せた。
……―――
触れられた箇所が熱くなる。
火を灯されたように快感が広がって、この体を支配していく。
「はッ…あッあ…」
女子ではないのに、胸の尖りを吸われて気持ちがいい。
それにもう一方も、摘まみ捏ねられ喜んでいる。
「感度がいいな幸村。俺好みだ。」
違う…きっとそうではない。
政宗殿だから、政宗殿に触れられているから…
「政宗…殿ッ… あぁ…や…」
「そのまま、イイ声で啼いていてくれよ?」