企画小説

□僕らの青春
(政×幸)
4ページ/6ページ


「政宗殿、某は… 政宗殿の事が… 『好き』なので御座る。」


「…」


「気持ち悪いと思われるで御座ろうが、どうしようもない程に、政宗殿を… 好きなので御座る!」








言った。
言ってしまった。
けれど不思議と、後悔はない。








「…遅ぇんだよ。」


「え?」


「何年待ったと思ってやがる。」








政宗…殿?
体が、震えて…?








「3年の片想い…我ながら、よく我慢したモンだと誉めてやりたいね。」


「片…想い… 政宗殿の?」








ぎゅうぅ…








「まさ…////」


「鈍いんだよ。俺の気持ちにも、アンタ自身の気持ちにもな。」








鼓動が近い。
政宗殿の腕が、俺を抱き締めて…








「こうしてる意味、分かってるのか?」


「政宗殿…」


「俺も好きだ。幸村と同じ…いや、それ以上に。」








好き?
政宗殿が…俺を?








「そんなに信じられないって顔するなよ。逆に傷付くだろうが。」


「だって、政宗殿が…」


「すぐ信じるさ。」


「ん…」








優しい光を灯す蒼が近付く。
そこに映る自分の姿がだんだん大きくなって、ぼやけて…
そしたら唇に、柔らかい感触。








「今のは…キ…」


「次は優しく、出来そうもねぇ…」


「ふ…んぅ…」








触れるだけとは違う、政宗殿の噛み付くような口付け。
頭の奥が痺れて来て、ぎゅっと政宗殿にしがみつくのが精一杯だ。








「口…開けな。」


「ん…」








言われるまま隙間を作れば、熱い塊が口内に忍び込む。
歯列をなぞり、舌を絡めて、全てを貪るように。








チュ…クチュリ…






目を薄く開けば、政宗殿が見える。
いつもより頬を紅く染め、余裕のないその姿に、ひどく喜びを感じてしまう。








「嫌か?幸村。」


「嫌では御座らぬ。ただ政宗殿が、可愛らしく見えて…」


「かわッ…!?」


「?」








ますます紅くなってしまった政宗殿。
俺は、何か変な事を言ってしまっただろうか?








「たく、俺を可愛いなんて言えるのはアンタだけだ。」








スルスルスル〜








「まさッ…!? 手…手が…」


「けど俺からしたら、アンタの方が何百倍も可愛いぜ。」


「ん…あぁッ…」








体操着に忍び込んだ手が、ゆっくりと腹筋をなぞる。それがこそばゆくて仕方ないのに、どこか背筋もゾクゾクして…








「もっと触れたい、もっと感じたい、いいか?」


「…はい。」








艶っぽく、熱を帯びた政宗殿の声。

触れたいと思っていたのは俺も同じ事。
だから広い背に手を回し、ぎゅっと引き寄せた。







……―――












触れられた箇所が熱くなる。
火を灯されたように快感が広がって、この体を支配していく。








「はッ…あッあ…」








女子ではないのに、胸の尖りを吸われて気持ちがいい。
それにもう一方も、摘まみ捏ねられ喜んでいる。








「感度がいいな幸村。俺好みだ。」








違う…きっとそうではない。
政宗殿だから、政宗殿に触れられているから…








「政宗…殿ッ… あぁ…や…」


「そのまま、イイ声で啼いていてくれよ?」

 
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ