企画小説

□Wish
(政×幸)
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待ち合わせは、いつもと同じこの場所。奥州と甲斐の中間点で見つけた、大きな桜の木の下。




(まだ、来てねえみたいだな‥)




辺りを見回してもその姿は無く、思っていたよりだいぶ早く到着してしまった事実に笑みが零れた。




(どれだけアイツに会いたがってんだ‥ 俺は。)



だが女々しくも求めてしまう。自分の存在意義を示してくれるただ一人を。










「政宗殿―――ッ!!」


「Ha!来たか。」




遠くから響く呼び声。
暑苦しい程のその存在に目を細める。




「warming-upは出来てるか?真田幸村ッ!!」


「無論!この幸村、準備万端に御座るッ!!」


「いい心掛けだ!」




叫び合い、向かって来るアイツに俺も走り出す。手に刀を握り締めて。







キイィィンッ!






刃と刃がぶつかり合う。
小気味良い音が鼓膜を震わせ、グッと手に力が籠もる。





「いいな。やっぱアンタは強え。」


「政宗殿こそッ‥!」




刃の先にある、強い意志を纏った瞳‥




そうだ。
この瞳が、俺をcoolじゃいられなくさせる。
操る炎で周りすべてを巻き込んで、熱く、熱く‥




「まだだ。まだ足りねえ!こんなもんじゃねえだろ?アンタの炎はッ!!」

「まだ‥まだアァァッ!!!!」




真っ直ぐにぶつかってくる、揺るぎない意志。それは他の誰でもなく俺だけに向けられる、俺だけのもの。

俺だけの‥




「最高のpartyだッ!!アンタの炎は、俺をこんなにも焦がしやがる!」


「某も同じに御座るッ!政宗殿の放たれる雷は、何よりもこの身を貫き申すッ!!」


「Ha!嬉しい事言ってくれるじゃねえか。俺の雷で、もっと痺れさせてやろうか?」


「望むところに御座‥「勿論、褥の中でもな。」















「は‥破廉恥で御座らああぁぁッ!!」


「An?間違ってねえだろ?」




ニッと笑みを浮かべれば、幸村の動きは明らかに精彩を欠く。

毎度毎度同じようなやり取りをしても、そっち方面の耐性はまるで付かないらしい。



まあ、そこがいいんだが‥




「勝負の最中に、何を申されるかッ!」


「何かって何だよ?」


「で‥ですからそれはッ‥」

 
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