解説
□三つ巴の主導権を握るべし
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<ロシアを引っ張り込むことが最善、かも?>
先のページ『日本の知らないところで〜』で三つ巴とは言ったものの、いまいち米中に比べて印象の薄いロシア。
それは戦後からアメリカがいちいち持ち出した、そして日本が侵略された『北方領土問題』に代表される領土問題があるからです。
これがあるお陰で、日本人の意識に『ロシアと仲良くなる』選択肢が勝手に消えてしまっています。
だから中国に近づく気満々の民主・社民政権ですが、中国との間に領土問題が無いと思ったら大間違い。
(管理人は台湾と中国を同一視してはいませんが)尖閣諸島領土問題がその代表だし、隣国の韓国との竹島問題なんかは長く議論されています。
おまけに何度も述べてきたように、中国と日本の問題は非常に多岐にわたり、しかも根強い。
著作権から食品の衛生管理問題まで、本当に様々な問題をそっちのけで『東アジア共同体』なんぞ唱えてる共産党と韓国民主党は害悪以外の何者でもありません。
一方ロシアとの禍根は、言ってしまえば北方領土問題『だけ』。
どっちと関係との方が本当は改善しやすいかなんて月とすっぽんを比べるようなものです。
この際、沖縄の時のように北方領土にロシアの基地を残したまま、そこの主権を日露で共同にしてみるのも手です。
日本の首都は東京、失礼ですが北海道は夕張市を初めとしてなかなか財政的に厳しいものが多いです。
そこに正式なロシアと日本の共同統治が成立すれば、インフラ整備の必要性から北海道の景気対策にもなります。
そして北方領土が仮に返還されたとして、あそこに好きこのんで行きたいと思うのは島出身の方々くらいでしょう、寒いし。
たとえ名目だけでも共同管理にしてしまえば、それで日本とロシアの大きな禍根は消えます。
上記の通り、実際名目だけでも日本には問題は無いのです。
ロシアには領土も日本の比でないほど広く、そして豊富な資源と強力な軍隊があります。
ただ一つ欠点を挙げるなら、あの国には日本のような技術力が無いのです。
そして日本はロシアのような領土も資源も核兵器もありませんが、戦後あっという間に復帰する程の凄まじい技術力があります。
国の状態としては中国とロシアも似たようなものですが、関係改善のしやすさは圧倒的にロシアが上です。
そしてロシアと日本が仲良くなることは、中国にとって非常に嫌な展開です、だって地理的に挟み撃ちですから。
おまけにロシアはアメリカに次ぐ核保有国、地繋がりの中国にとっては非常に傷手となること請け合いです。
そうなればアメリカも、沖縄から米軍を撤退させるわけにはいかなくなるでしょう。
だってロシアに日本取られたらアメリカはおしまいですから。
その上でなら、恐らく中国との『対等な』講和条約も夢ではありません。
映画『レッドクリフ』で一躍脚光を浴びた三国志ですが、諸葛亮孔明が劉備元徳に何故『蜀』の建国を命じたかおわかりでしょうか。
たとえばあの時中国が『魏』と『呉』だけだったとき、二国は絶えず争いを続け、どちらかが倒れるまでそれが続いたでしょう。
しかし『蜀』という三つ目の国が生まれたことで、片方にばかり気を張っているともう片方に寝首を掻かれる・片方を攻めても弱ってしまったらその隙に叩かれるという危険性が生まれたのです。
結局、三国時代は強国『魏』に弱国『呉』『蜀』が共同戦線を張る状態だったために、最終的に『魏(普)』に滅ぼされてしまいますが、現代ではそう簡単にはいきません。
中国もロシアもアメリカも、強大な軍と核の保有国、迂闊に動いた者が負けるのです。
今、日本はアメリカと中国が主に角を突き合わせています。
これはつまり、二国だけだからこそ遠慮無く(慎重にですが)角を向け会えるのです。
此処にロシアの危険性を持ってくるだけで、たちまち二国は角を引っ込めて様子見に回るでしょう。
またあとから来たロシアも、先にいた中国・アメリカを無視するような真似はそうそう出来ません。
台頭しつつある中国、低迷期にあるとはいえ未だ強国のアメリカに正面切って喧嘩を売れる『魏(晋)』にはなり得ないのです。
二大国の覇権決戦と、三大国の三つ巴。
果たして日本にとって、どちらの方が御しやすいのか分かりませんが、ただ三つ巴の主導権をいざ握るとなると、これはこれで非常に難しい。
何故なら基本的にそりの合わない三国と上手くやらなければならないのですから、ドイツのビスマルクやオーストリアのメッテルニヒのように抜群の手腕を持つ政治家が必要になります。
どちらにせよ、鳩ポッポとか小沢みたいな中国一辺倒の連中にはまず無理でしょう。
出来そうなのは前原さんくらいでしょうが、民主党内での立場が強くないのではたしてどうなることやら……。