03/06の日記
22:06
クロックスとリーリア2
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「なんだ、リーリア楽しそうだね」
「ヴェルデ…」
「いいことでもあったのかよ?」
「別に…昨日会った人が名前を呼んで欲しそうだったから。呼んであげただけ」
「へー」
「うん」
「…」
「…?」
「え?!本当にそれだけ?!まじかよ!」
「そうだってば」
「がははははウケる!!」
「……」
「えっ?!今人っつた?!」
「うん」
「ええええええええペチュニアー!!ペチュニアーー!!!!」
「何ヨ、騒がしいわネ」
「ペチュニア!リーリアが!リーリアがキエェェェェェアァァァアァシャアベッタァァァァァァァアア?!?!!!」
「はぁ?何叫んでるのヨ!意味が分からないワ」
「あラ?リーリア。今日はやけにご機嫌ネ、いい事でもあったノ?」
「別に」
「ペチュニアってば!リーリアが喋ったんだよ!」
「それは世紀の大発見ネ、オメデトウ。冷凍タンクに体を突っ込んで頭を冷やしてくるといいワ」
「酷くない?!第一あたしの頭は既にキンキンに冴えきってるぜ!」
「残念ながら思考回路は凍結してるワネ」
「つぅか違うんだよ、マドモアゼル!リーリアが人間と喋ったんだとよ!」
「…」
「なんですっテ?!?!リーリアそれ本当なノ?!」
「あっちが勝手に喋ってただけ」
「これはおめでたいワネ!確か東洋の小さな国ではお祝い事の時オセキハンを食べるらしいワヨ!今夜はオセキハンネ!」
「えぇ〜、あたしはセキなんとかより果物がいいぜ」
「オセキハンの色は赤なのヨ」
「なんて罪にまみれた食材なんだ…清めなければ…」
「だから喋ってない」
「おーおー、お嬢さん。あたし達に嘘はいけねぇぜ」
「そうよ隠す必要なんてないじゃなイ」
「嘘ついてないよ。人間なんて信用してないし。ただ、名前を呼んだだけ」
「もウ、リーリアったラ…」
「それにしゃ随分と楽しそうじゃないのさ」
「…」
「ねぇ、二人とも」
「なぁニ?」
「何かなお嬢さん」
「…二人の名前は特別?」
「エ?」
「ん?」
「特別?」
「特別だと思ったことはないケド…」
「ペチュニア。あたしの真の名は特別な意味を孕んでるぜ…ここでは罪が重すぎて口にできないけどな」
「あなたいくつ罪を背負ってるノ、落ちてくるワヨ」
「この心で…すべて受け止めてみせる…!」
「はいはイ」
「…わたしも特別だと思った事なんてない」
「やっぱりくーは変わってる」
「クー?」
「くーってあのくぅ〜〜〜!ってやつ?」
「なによそレ」
「くぅ〜〜〜!」
「…」
「ペチュニア」
「なにかしラ?」
「ヴェルデ」
「おう?」
「呼んでもらえたらうれしい?」
「そりゃわたしの名前だからネ。とっても嬉しいワ」
「リーリアのような気高い乙女に呼ばれるなんてあたしの冥利に尽きるぜ」
「…そう。」
「…」
「なんだなんだ〜黙っちゃってどうした?」
「考え事してるのヨ。そっとしといてあげましょウ」
「…ちょっと出かけてくるね」
「はいリーリア、いってらっしゃイ」
「へ?リーリア考え事は?ペチュニアあたしに嘘ついたね???」
「嘘とかじゃないでしょウ!もウ!」
「……リーリア、ちょっと心配ネ、大丈夫かしラ」
「あー…ため込んでなきゃいいけどなー」
「…あ、こんばんは」
「…」
「…こんばんは」
「…」
「また明日」
「?」
「昨日言ってくれたこと、ちゃんと守ってくれたんだね。ありがとう嬉しいよ!」
「…そんなこと言った?」
「ありゃ…楽しみにしてたんだけどな…」
「ふーん…」
「…」
「人間」
「え?」
「あなた人間?」
「えっとうん、一応…」
「一応?一応って何?」
「…」
「僕はハーフだから。人間と魔獣の。」
「!」
「えへへ、驚いた?……リーリアは?人…なの?」
「わたしは違う!!人間と一緒にしないで!!!」
「!!」
「ご、ごめん」
「……いい。人間なんて…嫌い。」
「…どうして?」
「あなたには関係ない。」
「それは…!」
「…」
「……関係ないけど…悲しいよ…」
「…」
「どうしてあなたが悲しむの?」
「だって…僕の事も嫌いなんでしょう?」
「…」
「悲しいよ」
「……」
「……」
「くー」
「?なに?」
「……くー」
「うん、?」
「……」
「?」
「リーリア?」
「……知らない」
「…?」
「(ルネ以上にわからない子だ…)」
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