08/17の日記

20:51
ウルみゆ
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ズタズタにしてやろうと思っていた。

珍しく駆け付けたプリキュアは一人だった。
そして肝心の必殺技を外したバカなプリキュアが絶体絶命だろう所を捕獲した。
何のことはない、絶望した顔を見てやろうと思った。
丁度溜まっていたことだし、それもついでに解消しようと思っただけだった。
コイツには何の情もない。そう思っていたし、それを疑ったこともない。

人間たちがバッドエナジーを垂れ流している横で力の入らないプリキュアを押し倒して、暴れる手足を力いっぱい拘束した。
服を引き裂いて素肌が露わになったとき、オレは唾を飲んだ。
単に欲情しただけだ。
「何するの!やめておおかみさん!」
そんな叫び声もオレの冷え切った心には何の意味もなさない。
そしてまだ成長しきらない控えめな乳房を乱暴に揉んだとき、プリキュアから声が漏れた。
「痛っ」
プリキュアの当然の抗議に、オレは一瞬手が止まってしまった。
そして、あろうことか次に動き出した時には先ほどのような力が入っていない。
こんなガキに、敵に、優しくしてやる道理なんてないはずなのに。

優しく動き始めた手は止まらないが、ふとオレは気が付いた。
目の前で涙目でこっちを睨んでくるプリキュアを、心配してしまっている自分に。
さっきの言葉でプリキュアに怪我がないかどうか確認してしまっている自分の眼球を恨むが、だからといってそれが止まるわけではない。
視線が動くたびに視界に入るのは、白い柔肌に赤く浮かび上がる爪痕だ。
どれも血液が浮かび上がっていて、真新しいことがすぐにわかる。
当たり前だ、さっき自分が付けたものなのだから。

有り得ないはずの感情が湧いた。
プリキュアは敵なのに、心配する道理なんて全くないのに、それなのに自分の心には罪悪感が充満している。
動きが鈍くなった手に気が付いたプリキュアが逃げようとするが、それをまた捕まえて膝の上に抱え込んだ。
まるで、あの忌々しい絵本に出てくるワンシーンのようだ。

「ひゃっ」
血の滲んだ傷跡に舌を這わせると、悩ましいプリキュアの声が耳に響く。
興奮がまた戻ってきて、『抱きたい』だなんて素直に思ってしまった。
ぐちゃぐちゃにしてやるつもりだったのに、ついさっきのことなのに、あの頃のオレはどこに行ってしまったというのだろうか。

「やあっ、…やめっ」
嘗め続ける舌に、反応し続ける声。
もうこれ以上は我慢できないと、下着に手を掛けたとき、プリキュアの大きな目からは大粒の涙が零れた。
「やめ、て」
震える声でそう言われてはそこから動くことができない。
ピタリと止まったオレの動きを尻目に、プリキュアはオレの腕からすり抜けた。

今度は捕まえることが出来なかった。
なぜなら、本当に信じがたいことなのだが、プリキュアの涙に傷付いている自分がいたからだ。
走り去るプリキュアの姿を呆然と見つめた後、オレはバッドエンド王国に戻った。

違う、そうじゃない。
そうだ、アレだ。オレはボロボロにしてやろうと思ったんじゃなくて、辱めてやろうと思ったんだ。
優しく触れることで、最高の恥辱を味合わせようと思っただけなのだ。
そう一人で言い訳をして、オレは自室へと戻る。

そうだ、そんなわけがないんだ。
オレがそんなまさか、そんなことあってはいけないのだ。
誰に言うわけでもない言い訳が頭の中を占めた。

End.


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