☆埼玉選抜
□目指すは優勝のみ!
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翌日、必要な荷物をバッグに詰めて、指定された場所に向かった。
バスに揺られること数時間。
他県の監督らしい人たちも一緒で、16才の私はかなり浮いてたけど、寝たフリで乗り切った。
[始まりの色]
「着いた〜!」
到着早々1番にバスを降りた。
長時間縮こまってた筋肉を解したいのもあったけど、早く埼玉代表のメンバーに会いたかったから。
「早くしないと先に行っちゃいますよー!」
「だめだよ。君はすぐ迷子になるんだから」
相変わらずマイペースな代表監督と肩を並べて宿舎に入った。
「えーと、あっちだ!」
「違うよ、こっち」
ヤル気とは裏腹に、テンション空回り…
「あ、ここだ」
ずいぶん賑やかな埼玉代表の部屋に入ると、選手の視線が一気に集まった。
雪「ボクは埼玉県の代表監督。白雪静山と申します」
お世辞にも穏やかとは言い難い空気の中、いつものように丁寧な口調で挨拶をする白雪さん。
影「わざわざ誰も知らねえ監督を立てる必要あんのか?」
桃「朕は賛成ヨ」
雪「それからマネージャーを1人連れて来たから」
喜びを隠せなくてウズウズしていた私。
「華武高1年の大神翔です。よろしくお願いしまーす!」
「「「(カワイイッ!)」」」
柳「(大神‥‥まさかな)」
猿「ちょっと待ったぁ!
それじゃ華武贔屓になんじゃねーの?」
「だいじょーぶ!私、華武の生徒だけど野球部じゃないし、ウチの選手が特別スゴいとか思ってないから♪」
由「野球部じゃねーのに何で選抜(ここ)に来てんだ?」
「野球できないのに野球部に所属する意味が分かんない。ここへは野球をやりに来ただけだもん」
へらっと答えると、驚きを隠せない面々が言葉を無くしていた。
兎「えっ?一緒に練習するの?」
「うん!アンタら打ちのめすから、そのつもりでね♪」
猿「おまっ…本当にマネージャーかよ!?」
「選手として参加できないからマネージャーという形を取っただけだよ。まぁ練習メニュー作るとか、怪我人の手当てとか、最低限の仕事はするから」
戸惑う選手陣を余所に、白雪さんが話を進める。
雪「彼女の練習参加は、みんなにも良い刺激になると思うよ。
さっそくだけど代表主将を決めようか」
白雪さんは、主将に屑桐さんを指名した。
そしてユニフォームを配り、練習用のグラウンドでミニゲームを行った。
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