Book
□SINCE LAST GOODBYE
5ページ/12ページ
「掛け直してくれるなんて、思わなかったよ。」
『…何故だ?』
「ふふっ…だってキミ、携帯なんて普段使わないでしょ?」
『…大石から聞いたのか?』
あの時とかわらない。
日本にいたときと、全く変わらない他愛のない会話。
(…元気そうだな)
電話の声に、懐かしさを感じ自然と頬が綻ぶ。
「この番号、手塚知らなかったでしょ?」
『あぁ、一瞬誰だと思った。』
「ふふっ…ごめんね。実はね、国際電話しやすいように新しく携帯買ったんだ。」
『…何故新しくする必要があるんだ?学校からでは駄目なのか?』
「…違うよ、手塚。」
次の不二の言葉に、俺は言葉を失ってしまった。
「だって、こうでもしなきゃ…君と二人っきりで会話できないじゃない。」
『…っ!?』
「…好きだよ、手塚。」