雲の仕事

□cloud,3
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「……。」

雲は返答に困った。


























あれから数日が経ち、とうとう転入をする日となった。

一度しか着ていない制服に袖を通し、伊達眼鏡をかける。相変わらず似合っているかなんて分からないが、一先ず良しとした。

慣れてきたせいか、この部屋の生活も苦では無くなっていた。

今日から(いや、前からだが)『雲雀恭弥』の名から『蒼並連夜』に変わる。そう思うと、雲雀は僅かに虚しくなった。

「(それにしても……。)」

雲雀は改めて思う。

「(何故僕は、指図されたことをしているのだろうか。赤ん坊、はまだいいとして、沢田は僕の嫌いな筈の草食動物だ。)」

「(沢田が変わった……いや、僕が変わったのか。)」

己の心の変化に少しの不安を感じながら、雲雀は家を出た。





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