#8059
□誓い
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「獄寺…?」
山本は獄寺の家に行っていた。
普段のようにテーブルに向かい合わせに座って、獄寺が出してきた菓子をつまみながら何でもない雑談をして…。
そんないつもの光景が山本の前に広がっていた、はずだった。
だが、急に獄寺が立ち上がったと思ったら、そのまますたすたと歩き始めたのだ。
「獄寺っ、どうしたんだよっ…」
山本が必死に声をかけても、獄寺は一向に立ち止まるどころか何の反応も示さない。
「獄寺っ!!」
黙ったまま玄関で靴を履く獄寺の肩を掴む。
すると、やっと獄寺が振り向いた。
「…ッ……」
しかし、そのエメラルドグリーンの瞳にいつもの輝きはなくて。
そのまま獄寺からの言葉はなく、バタンというドアが閉まる音だけが虚しく響き渡った。
「…ッ!!」
そこで意識は現実へと戻り、山本は飛び起きた。
「夢、か……」
まだ起床する時間には少し早い時間ではあったが、これ以上眠る気にもなれず、
そのままもやもやした気持ちのまま布団を抜け出した。