#8059

□浴衣2
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その日の夕方、俺は山本の家へ行った。

理由はもちろん、『ユカタ』というものを着るため。

俺の気もしらないで、当の山本は呑気なものだ。

「んー、こんくらいでちょうどいいか?」

一体何着あるんだか、色違いの『ユカタ』をとっかえひっかえ俺に羽織らせては脱がす。

さっきからそればっかりだ。

「お前、おんなじの何着持ってんだよ…」

「どうだろ…毎年毎年丈短くなっちまって買い換えてたからなー…」

どんだけ成長期なんだこいつは。

俺はちょっとあきれもしたが、山本が真剣に俺のを選んでくれてる…と思うと嬉しかったりもする。

そんなことをしばらく繰り返していると、

「お、これいいんじゃね?」

そう言って山本が俺に見せたのは、綺麗な青色の『ユカタ』だった。
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