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□浴衣
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全ては山本の一言から始まった。
「な、獄寺…祭り行かね?」
「…なんでわざわざ人混みん中行かなきゃなんねーんだよ」
「だって獄寺、ゆっくり祭り行ったことないだろ?絶対楽しいと思うのな」
「…勝手にしやがれ」
ここまでは至って普通の、いつも通りの会話だった。
「獄寺、ちゃんと浴衣着てこいよ?」
「…ユカタ?」
なんだよ浴衣って。んなもん知らねぇよ。
「あ、獄寺浴衣知らねぇの?」
ここで素直に認めると山本に見下されそうで嫌だが、知ったかぶりをして当日間
違うのはもっと嫌なので俺は素直に認めることにした。